夏色ドロップス | ナノ

act.01

ミミが紋章を手に入れた後、子どもたちは作戦会議を開いていた。

「紋章は手に入ったけど、使い方が分からないんじゃな…」
「正しい育て方って言われてもね…」
「まず紋章を全部集めて、それから考えることにしましょう。」
「おーい!なにやってんだよーっ!!」

子どもたちが作戦会議を開いている間、太一と純は足を止めることなく、ただ歩き続けていた。
後ろに他の子どもたちがついてきていないことに気付き、立ち止まり、声をかけたのだった。

「早くしないとおいてくよー!」
「今ねー、デジモンについてのとっても大事な重要会議してるの!すぐ行くからちょっと待っててねぇ!」
「「っわぁぁぁ!」」

タケルの言葉を聞き終わるや否や、太一たちの足元から突然クワガーモンが現れた。
太一や純、それぞれのパートナーはクワガーモンにより、離れた場所へと飛ばされてしまう。
すぐに体勢を立て直したパートナーたちがクワガーモンに攻撃するが、効果はほとんど見られなかった。

「こ、こいつファイル島にいたやつより強いや…」
「まったく攻撃が効かないなんて…」
「アグモン!テリアモン!ロップモン!」
「進化だ!進化するんだ!!」

離れた場所にいる子どもたちから進化を促す声がかかるが、太一も純も不安げな顔でクワガーモンを見つめるだけで、動こうとはしなかった。
そして、それはアグモン、ロップモン、テリアモンも同じだった。
二人と三匹の頭の中にあるのは先日のスカルグレイモンの姿。
タグがある二人は間違った進化をさせるのが怖かった。
それがたとえ、一度進化したことのあるグレイモン、トゥルイエモン、ガルゴモンだったとしても。
一向に行動を起こさない彼らに、容赦なくクワガーモンは襲いかかった。

「なにやってんだ!シザーアームズに挟まれたらおしまいだぞ!」

太一も純もパートナーを進化させようとせず、ただクワガーモンの攻撃を避けていた。
しかし、クワガーモンのスピードは早く、気付けば目の前にクワガーモンが迫ってきており、遠くで子どもたちの悲鳴が聞こえていた。


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