夏色ドロップス | ナノ

act.02

船の中は映画で見た豪華客船そのものだった。
純、空、ミミの女子チームはシャワーへ、太一と丈はプールで休みに、ヤマト、光子郎、タケルは食事へと向かった。
太一たちがプールに浮かびながら、正しい進化について話していると、突然ヌメモンたちが太一と丈に向かって網を投げつけた。
プールサイドで見ていたゴマモン、そして、コロモンから進化したばかりのアグモンはヌメモンへ攻撃するが、突然現れたコカトリモンによって石にされてしまった。
それは食事をしていたガブモン、テントモン、トコモンも同様だった。
そして、残された太一たち五人は太陽の下、網に縛られ干されていた。

純、空、ミミとそれぞれのパートナーたちは間一髪のところで、異変に気付き、バスタオル一枚という格好ではあるが逃げ出し、事なきを得た。
しかし、つい数分前までシャワーを浴びていたため、船内には足跡が残っており、その後を辿ってきたコカトリモンが目の前に立ちはだかった。
コカトリモンの手には太一と丈の紋章が掲げられていた。

「太一たちになにしたの!!」
「選ばれし子どもたち五人は捕みゃあて日干しにしたがや!しばらくしたら、選ばれし子どもたちの干物ができあがるがや!」
「ひどい…」
「デジモンたちは…?」
「ワシの力で石にしたがや!お前たちも同じ運命だ!」

ピヨモンの攻撃でコカトリモンが怯んだ隙に甲板へと逃げたが、すぐに追いつかれてしまった。

「追い詰めたがや!」

しかし、船内とは違い、狭くない甲板では進化した姿でも自由に動き回れる。
空とミミはパートナーたちに合図を送ると、パートナーたちは進化した。

「ピヨモン、進化!バードラモン!」
「パルモン、進化!トゲモン!」

二体はコカトリモンに向かって、攻撃をしかける。

「純!ロップモンたちも進化よ!」
「そうですよ、純さん!みんなを早く助けないと!」
「で…でも…」

空とミミに進化を促されるも、純はそれをしなかった。
純の頭に浮かんでいるのは昨日の太一の姿。
もしかしたら、太一ではなく、私がああなっていたかもしれない。
そう思うと、純はパートナーたちを進化させるのが怖くなっていた。
ロップモンとテリアモンもそれを感じ取っているのか、いつものような闘いへの意欲は見られなかった。


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