夏色ドロップス | ナノ

act.04

太一はグレイモンの元まで走り、自ら危険な目に遭いに行った。
それは進化のもう一つの条件、パートナーのピンチを作り出すため。

「グレイモン、俺はお前を信じてる!進化するんだ!」
「太一、だめ…」

嫌な予感が頭によぎった純はロップモンたちを抱えながら太一の元へ走り出した。

「グレイモーン!」
「ダメーッ!」

しかし、太一の元へたどり着いたと同時に太一のタグと紋章、そしてデジヴァイスが黒く輝きだす。
辺り一面が暗闇に覆われた。
暗闇が消えると、そこに現れたのは恐竜の姿、否、恐竜の骨の姿をしたスカルグレイモンだった。

「スカルグレイモン…!!」
「純!こいつは危険だよ!早く逃げないと!」

スカルグレイモンはグレイモンをオーロラビジョンまで飛ばし、ミサイルを放つと、オーロラビジョンごと破壊した。

「スカルグレイモン…お前、本当にグレイモンの進化した奴だよな?」

スカルグレイモンは太一の声が分からないのか、パートナーである太一に向かって、攻撃を仕掛けようとしていた。

「太一、こっち!」

純は太一の手を引き、子どもたちの元へと逃げた。
他の子どもたちのパートナーたちも進化し、スカルグレイモンに攻撃するが、ダメージすら与えることができず、逃げ回るしかできなかった。

しばらく逃げ回っていると、突然スカルグレイモンの攻撃が止んだ。
振り返ると、そこにスカルグレイモンの姿はなく、代わりにコロモンの姿があった。
太一はすぐさまコロモンの元へ走っていき、コロモンを抱き上げた。

「大丈夫か?!」
「う、うん。でも…みんなにひどいことした…自分でもどうにもできなかったんだ…みんなの期待に応えられなくて、本当にごめんね…」
「違う。悪いのはお前じゃない…悪いのは…」
「…分かってる。悪いのは俺だ…」

太一はコロモンを抱え、立ち上がると、子どもたちの方を見渡した。

「俺、知らず知らずのうちに焦ってた。紋章を手に入れてから、なんか自分一人だけで戦ってるようなそんな気になってたんだ。悪かったよ、みんな…ごめんな…」

さらなる進化は出来たものの、それは間違った進化だったようだ。
それにより、意気消沈している太一。

純もまた太一と同じように、気持ちが沈んでおり、その会話に入ることはなかった。


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