夏色ドロップス | ナノ

act.06

再度、滝の裏の洞窟へ隠れ、パートナーたちを進化させたものの、エテモンのラブセレナーデによって、デジモンたちはすぐにもとの姿へ戻ってしまった。

「何か対策はないんですか?!」
「今のままやと無理や!もっともっと進化せんと…!!」
「そのためにタグと紋章が必要なんだよね。」

滝に攻撃を仕掛けられ、コロモンたちは子どもたちを洞窟の奥へと案内する。
辿り着いたのは壁や床に二種類の不思議な模様が描かれている場所。

「村に何かあったときはここに逃げろって言い伝えがあるんだ!」
「この模様は?」

その模様に触れようとした時、太一と純のタグが反応し始め、辺りの壁がオレンジに、床がパステルグリーンに光りだした。
光はそのままそれぞれのタグへと納まり、タグの中で光っていた。

「これって…紋章…?」
「紋章だ!紋章が手に入ったんだ!」
「見て!」

空の声で顔を上げると、そこには先ほどまで行き止まりであったはずの洞窟ではなく、代わりに見たこともない山が広がっていた。
先ほどまで流れていたエテモンの映像も流れていない。

「助かった…のか?」
「そうみたいだな…」
「よかったー!」

子どもたちはエテモンから逃げられたことを喜んでいた。
そして、もう一つ。

「ついに紋章を手に入れたんだ!二つも!」
「…でも、こっちのタグはなんにも変化ないんだよね。」
「だーいじょうぶだって!この二つの紋章があれば、エテモンなんて怖くないぜ!」

太一は自身の手中にある紋章、そして、純の手中にある紋章を見て、余裕の表情を浮かべていた。
しかし、これが新たな絶望への始まりだった。


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