夏色ドロップス | ナノ

act.01

「みんな、起きろ!大陸だ!サーバ大陸に着いたんだ!」

ホエーモンに乗って、サーバ大陸へ向かい始めて、五日目。
見張りをしていた太一がサーバ大陸がもう目の前であることを告げると、子どもたちは一斉に飛び起きた。

ホエーモンはサーバ大陸に体を寄せ、子どもたちは次々とサーバ大陸へと上陸していく。
しかし、それは純とミミを除いた六人のみ。

「ほら、ミミちゃん、みんな降りたんだし、私たちも降りよう?」
「い・や!!なんでこんな所から上陸しなきゃいけないの!もっとマシな場所はなかったの?!」

ホエーモンが着いたのは船着き場などではなく、なにもない広大な大地がただ果てしなく広がる場所。
ちょうどいい高さの降り場やはしごなどがあるはずもなく、地上から十数メートル離れているであろうホエーモンの背中は上陸するには勇気が少々必要にはなる場所であった。
そのため、ミミは降りるのをしぶっており、純はそれに付き合わされる形になっていた。
純がたまたまミミの前に降りようとしたためか、ミミが純のことを姉のように慕っているからか、それは定かではないが、純の腕をガッチリと掴み、一向に動こうとする気配はない。

「ミミちゃんが寝てる間にここから降りることにしたんだよ。早く降りないと…」
「そんな大事なこと勝手に決めないでよー!!わ、わっ…!」

ミミが駄々をこねていると、ホエーモンが体を揺らし始めた。
そのせいで純とミミはそのままホエーモンの体を滑るようにして、サーバ大陸へと上陸した。

「…太一、ごめん…」
「や、うん。不可抗力ってやつだ、うん。」

純は太一を、ミミは光子郎を押し倒す形での着地、というハプニング付ではあったが。

「純、早くどいてやれ。」
「あ、ヤマト…ありがと。」

純たちは起き上がると、ホエーモンと別れ、子どもたちはホエーモンに教えってもらったコロモンの村へと向かった。
半日近く歩き続けていたため、村が見えた途端、ミミは純の腕を掴むと一目散に走っていった。
その後ろにはパルモンが続いた。


prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -