1999年8月1日。
子どもたちが待ちに待ったサマーキャンプ。
ところが、この少女、佐藤純は迷子になっていた。
「あっれー?ヤマトどこ行ったんだろー?さっきまでいたのになー。」
幼馴染であり、このキャンプで同じ班のヤマトの姿が見えず、探しているうちに迷子になったのだった。
「あれ…雪?」
手のひらでなにか白いものを受け止めたのだが、すぐに液体へと代わった。
まさかとは思うが、間違いなく雪だった。
あっという間に辺りは吹雪になってきたが、突然の雪に目をキラキラと輝かせていた。
すると、突然手を引かれた。
「ちょ、お前、こんなとこで何つっ立ってんだよ!早く来い!」
「え、ちょっ…!!」
そう言い、純の腕を引っ張っるのは今まさに純が探していた石田ヤマトだった。
隣には彼の弟、高石タケルの姿もある。
純はヤマトに対して、言いたいことはいくつもあったが、それどころではない。
バーン。
思い切り祠の扉を開ければ、そこには泉光子郎の姿があった。
光子郎は突然の訪問者に対応しきれなかったのか、怪訝そうな顔をしていた。
「ごめん。雪がやむまでいていいかな?」
「そりゃ、かまいませんが…」
ヤマトと光子郎がそんな会話をしている中、純はタケルの頭や服から雪を落としていた。
「タケルくん、大丈夫だった?寒くない?」
「うん。純ちゃんも大丈夫?」
「大丈夫だよ!それにしても、雪、止みそうにないね。」
むしろ、雪は強くなるばかり。
雪の威力が強くなるのに比例して、祠に来た子どもたちの数も増えていった。
城戸丈。
太刀川ミミ。
竹之内空。
そして、八神太一。
この子どもたち八人がこの祠の中に集まったのは偶然なのか。
はたまた運命なのか。
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bkm