夏色ドロップス | ナノ

act.02

食堂を通り過ぎ、進んだ先は胃であった。

「胃…って食べ物を消化するところだよね?」
「うん…」
「あれ!」

胃からは胃液があふれ出してきており、いかだを徐々に溶かしていた。
ふと上を見たとき、ホエーモンの体内に刺さる黒い歯車が目に飛び込んできた。

「ホエーモンはあれのせいで暴れてたんだ!」
「私に捕まってのぼって!ポイズンアイビー!」

パルモンが黒い歯車に蔓を伸ばし、太一はそれを伝って黒い歯車へと近付いた。
そして、黒い歯車にデジヴァイスを近付けると、黒い歯車は消えた。
黒い歯車が消えると、胃の中が輝きだし、子どもたちは外へと出られた。

「みんな、大丈夫か?」
「うん、大丈夫!」
「大丈夫、大丈夫ー。」
「すみません、乱暴なことをして…」

正気を取り戻したホエーモンが口を開いた。

「ホエーモンが悪いんじゃないわ。黒い歯車のせいだったのよ。」
「きっと、あれが最後だったんだよ。」
「ホントに最後か?」

丈は心配そうに呟いたが、その答えを知っている者はいなかった。

「ホエーモン、サーバ大陸ってここからどれくらい離れてるか知ってる?」
「はい。私でも五日はかかります。」
「そんなに遠いんだ、サーバ大陸って…いかだも壊れちゃったし…」
「サーバ大陸へ行かれるのですか?」
「うん、そうだよ!」
「黒い歯車を取り除いてくださったお礼に私がお送りしましょう!」

ホエーモンのありがたい申し出を断るはずもなく、ホエーモンの背中に乗り、サーバ大陸へ向かうことになった。


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