…と意気込んだものの、サーバ大陸へと向かう手段がなく、子どもたちはいかだを作ることになった。
「ベビーフレイム!」
「ブレイジングファイア!」
デジモンたちは次々に木を倒していく。
子どもたちとパートナーだけでは少しずつしか進まないが、これしかサーバ大陸へと向かう手段がないため、気長に作ることになった。
「…純。」
ふいに純の名前が呼ばれた。
純が振り返ると、そこにはアスタモンの姿があった。
「アスタモン!」
「サーバ大陸へ行くと聞いてな。俺も手伝いに来た。」
アスタモン以外にもレオモンやメラモン、ゆきだるモン…
子どもたちと関わったデジモンたちが集まってくれていた。
さすが、強いデジモンたちだけあって、あっという間に立派ないかだを作り上げていた。
「…できたー!」
「バランスもいいみたいですね」
海の上に浮かべても、グラつくことなく、平衡を保てていた。
「こんなんで大丈夫なのか?」
「決めたんだ、行くしかない!」
「お前たちならきっと海を越えられる。」
「ありがとう、レオモン!」
「あ!!」
レオモンたちにお礼を述べたとき、タケルの持っていたデジタマにひびが入った。
「ポヨ…」
中から現れたのはポヨモン。
トコモンへと進化する前のデジモンだった。
「デジタマが孵ったー!かわいいー!」
タケルはポヨモンを抱きしめると、ほおずりをした。
子どもたちとパートナーたちはその姿を見て、安心したような嬉しいような、とにかく幸せな気持ちになった。
「お別れだな…」
子どもたちはいかだに乗り、ファイル島を離れようとしていた。
「アスタモン!これっ!」
純は腕に付けていたリストバンドをアスタモンへと投げた。
「また会いに来るから!進化しても、アスタモンって分かるように目印!グミモンとチョコモンにもよろしくねー!!」
「純…大事にする。ありがとう」
八人の子どもたちは自分の力で生き抜くことを覚え、あるデジモンとは戦い、またあるデジモンとは友情を育んだ。
そのファイル島を後にした。
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bkm