夏色ドロップス | ナノ

act.01

突然現れた久々の人間に子どもたちは驚きを隠せなかった。

「デビモンを倒したとはなかなかやるのぅ。」
「お前は誰なんだ?!デビモンの仲間か?!」
「心配せんでいい。ワシはお前たちの仲間じゃ。」

目の前に突然現れたおじいさんの名はゲンナイ。
人間であって、人間でないというゲンナイは子どもたちが先ほど倒したデビモンが言っていた“サーバ大陸”から通信をしているらしい。

「ゲンナイさんはいつからそこにいるの?」
「ワシは最初からこの世界におる。」
「おじいさんが私たちをここに呼んだの?」
「ワシじゃない。」
「じゃあ、誰が?」
「それは……知らん。」
「じゃあ、僕たち、どうすれば元の世界に帰ることができるのか知ってる?」
「それも知らん。」

いまいち頼りないゲンナイの答えに子どもたちは不満の声を漏らした。

「なんだよ、頼りになんねぇじいさんだな。」
「じゃが、ワシはお前たちを頼りにしとるぞ。」
「頼りにって?」
「サーバ大陸に来て、敵を倒してくれ。『選ばれし子どもたち』ならできるはずじゃ!!」

光子郎が場所が分からない、と言うとゲンナイは光子郎のパソコン宛に地図を送った。

「でも、サーバ大陸にはデビモンより強い敵がいるんでしょ?倒すなんて…」
「いや、お前たちのデジモンがもう一段階進化すれば、それも可能じゃ。」
「「僕たち、もっと進化できるのー?」」

その言葉にいち早く飛びついたのはロップモンとテリアモンだった。

「そのためにはこれが必要じゃ。」

ゲンナイの手元には“タグ”と“紋章”が映し出されていた。

「タグに紋章をはめ込めばさらに進化ができるのじゃ。」

しかし、紋章はサーバ大陸のあちこちにバラまかれてしまい、タグはデビモンがどこかに封印したとのこと。
それだけ告げると、妨害が入ったらしく、ゲンナイの姿は消えてしまった。
光子郎がパソコンを開くと、ゲンナイから地図が送られてきていた。

「とりあえず、山を降りよう!まず何か食って、決めるのはそれからだ!」


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