夏色ドロップス | ナノ

act.05

「おのれ…もう少しだったのに…」
「お前の暗黒の力、消し去ってくれる!我が下に集まれ、聖なる力よ!」

エンジェモンが持っていたホーリーロッドを高く掲げると、子どもたちのデジヴァイスが輝きだした。
その光はホーリーロッドへと向かっていく。

「ロッテリア…元に戻ったの?」
「力が…抜けて…」
「戻っちゃった…」

デジヴァイスの光の効果なのか、デジモンたちは元の姿へと戻ってしまった。

「やめろ!!そんなことをすれば、お前もタダでは済まないぞ!」
「だが、こうするしかないのだ!!たとえ、我が身がどうなろうとも!デビモン…お前の暗黒の力は大きくなりすぎた。この世界から消し去らねばならん!」
「エンジェモン!!」
「すまない、タケル…」

エンジェモンはちらり、とタケルの方に視線を送ると、すぐにデビモンへろ向きなおした。

「ヘブンズナックル!」

エンジェモンの攻撃はデビモンの体を貫通し、ファイル島全体がまばゆい光に包まれた。
デビモンは体を徐々に消滅させていっている。
そして、それはエンジェモンも同じであった。

「愚かな…愚かだぞ、エンジェモン…こんなところで力を使い果たしてどうする…暗黒の力だ広がっているのはこのファイル島だけではない。海の向こうには私以上に暗黒の力を持ったデジモンも存在するのだぞ。おしまいだよ、お前たちは。」
「エンジェモン…!!」
「タケル…きっとまた会える。君が望むなら…」
「エンジェモン!!エンジェモーン!!!」

タケルが叫び終わる頃にはエンジェモンの姿はなくなっていた。
エンジェモンの羽がタケルの前に落ちると、羽はタマゴへと姿を変えた。

「デジタマや…」
「エンジェモン…なの?」
「エンジェモンはもう一度、タマゴからやり直すんだ。」
「エンジェモン…大切に育てるからね…」

タケルはとても大事そうにデジタマを抱き上げ、自分以上に泣いている純に笑って見せた。
純はというと、そのタケルの姿を見て、より一層涙が出てきていた。

暗黒の力が消えたことにより、ムゲンマウンテンへ戻ってきている島を眺めていると、突然、地面が光り始めた。

「ほう。これが選ばれし子どもたちか…」

そこに映し出されたのは、一人の老人の姿であった。


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