夏色ドロップス | ナノ

act.05

花畑の中に隠れていたグミモンたちもいつの間にかアスタモンの周りに集まっていた。

「ん…」
「あ!アスタモン、気がついた!」
「お、俺は…一体なにを…」
「黒い歯車に操られてたの。でも、もう取り除いたから大丈夫だよ。」
「アスタモン、もう大丈夫!」

アスタモンは驚いた表情を見せ、辺りを見渡した。

「操られていたとはいえ…俺は、この花たちを…」

辺りには先ほどの戦いで倒れてしまった花たちの無惨な姿があった。
この花畑をとても大切にしていたのだろう。
アスタモンはとても悲しそうな目をしていた。

「この花たちはまたいつか咲く。今は失ったものより残ってるものを大切にしないと、ね?」
「…あぁ。そうだな。お前、名前は?」
「私は佐藤純!ロップモンとテリアモンのパートナーだよ!」
「純か。覚えておこう。」

ロップモンとテリアモンがチョコモン、グミモンの二回目の質問攻めにあってるのを見ているとき、遠くから純の名前を呼ぶ声が聞こえた。
そちらへ目を向けると、太一とアグモン、そして、ヤマトとガブモンの姿があった。
ヤマトたち、無事に見つかったんだ。
と安心したのも束の間。

「お前、勝手にいなくなるんじゃねぇ!」
「あ、いやー、その…」
「太一、あれ…」

ヤマトが指さした先には綺麗な花畑。
そこにはチョコモンとグミモンに囲まれるロップモンとテリアモンの姿があった。

「ここね、アスタモンとチョコモンとグミモンの大切なお花畑なんだって。だから、つい長居しちゃって。ね、アスタモン。」
「あぁ。仲間を引き留めさせて、悪かったな。」

大人のようなアスタモンを前にして、太一とヤマトは許すしかなかった。

いつの間にか島はムゲンマウンテンへと逆戻りをしており、子どもたちは覚悟を決めたのだった。


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -