突然、純の頭上をなにかが通り過ぎた。
「なに?にん、げん…?」
「あー、アスタモンだー!」
「アスタモンは僕たちを守ってくれるいいデジモン!」
「アスタモン?彼もデジモンなの?人間みたいに見えるけど…」
「アスタモンはね、とーっても強いデジモンなんだよ!」
アスタモンが花畑に降り立ち、振り向く。
その時、胸元にチラリと見えたのは黒い歯車。
まずい、そう思った瞬間。
「マーベリック!」
「危ないっ!」
チョコモンたちを庇い、なんとか避ける。
ただのキックに見えた攻撃だったが、その攻撃の風圧によって、花達が倒れてしまった。
「僕たちの花畑が…!」
「アスタモン、どうしちゃったの?」
「…ロップモン、テリアモン。私が囮になる。その間にこの子達を安全なところに連れて行って。」
純はそれだけ伝えると、ロップモンたちの静止を聞かず、走り出して行った。
「アスタモン!こっちだよ!」
純はロップモンたちのいる場所からどんどん離れた場所へと走っていく。
度々繰り出されるアスタモンの攻撃をなんとか避けていくが、その度に近くの花々がなぎ倒されていった。
花畑には攻撃出来そうなものも隠れられるような場所もなく、純はただひたすら逃げるしかなかった。
「「ダブルタイフーン!」」
突然、後ろから聞こえた二つの声。
もちろん、パートナーであるロップモンとテリアモンだった。
「ブレイジングアイス!」
「ブレイジングファイア!」
ロップモンとテリアモンは間髪いれずに攻撃をするが、アスタモンにはほとんど効果はなかった。
それどころかアスタモンのマシンガンから放たれた弾をまともに食らってしまった。
「ロップモン!テリアモン!」
慌てて、ロップモンたちのもとに駆け寄り、アスタモンの前に立ちはだかった。
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bkm