ムゲンマウンテンを自力で登ってきたヤマトたちも合流し、子どもたちは再び辺りを見渡した。
何度見ても、海ばかりの景色が広がっているだけで子どもたちはただ立ち尽くしていた。
「太一ぃ、なにしてるの?」
「地図を作ってるんだ!これからなにかの役に立つかもしれないからな!!」
「なるほど、それはいいアイディアですね!…え。」
太一の後ろから、地図を覗き込んだ光子郎は思わず黙り込んだ。
更にその後ろからヤマト、空、純が覗き込む。
「とても役に立つとは思えん。」
「太一って図工、苦手だったよね。」
「私は分かるけどなー。あれがあそこの山でしょ?」
「さっすが純!これは俺と純が分かってればいいんだよ!」
太一同様、感性がないのか、ただ勘がいいだけなのかは分からないが、太一の書いた地図は純にだけは分かる、つまり、純以外には分からない地図となっていた。
ドーン!
突然、大きな音が山中に響き渡った。
慌てて音のした方へと進んでいくと、来た道が崩れており、通れなくなっていた。
「あ、レオモンだ!」
崩れた道の先に、ライオンのような姿のデジモン、レオモンが立っていた。
「レオモンはいいデジモン!」
「とっても強い正義のデジモン!」
デジモンたちはレオモンに会えたことが嬉しいのか、とてもニコニコしており、レオモンの元へ進もうとしていた。
しかし、
「選ばれし子どもたち、倒す!」
レオモンもまたこれまでに出会ったデジモンたちと同じように、子どもたちに襲いかかってきたのだった。
「逃げなきゃ!」
子どもたちは一斉に走り出した。
途中で太一が書いた地図をアグモンが燃やしてしまうハプニングもあったが、走り続けた。
「ギャハハハハ!いらっしゃーい。」
「あ!」
「待ってたぜ!覚悟しな!」
目の前に突然、こん棒を持った緑色のデジモン、オーガモンが現れ、子どもたちの行く手を塞いだ。
「あれもホントはいいデジモンなの?」
「正真正銘の悪いヤツだよ!」
後ろにはレオモンが、前にはオーガモンが立ちはだかっており、子どもたちに逃げ道はなくなっていた。
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