夏色ドロップス | ナノ

act.01

子どもたちはおもちゃの街を離れ、再び歩き続けていた。
太一と純も無事に仲直りをしたようで、太一の上にはいつも通りテリアモンがいた。

先に進むにつれて、辺りの気温が下がっており、夏の格好をしている子どもたちにとって厳しい環境になりつつあった。
ゴマモンとガブモンは過ごしやすそうにしているところを見ると、寒さには強いのであろう。

「ま、でも、寒いのも悪かないよな。」
「えー。そんな勘弁してくださいよ!」
「だって、雪が降ったら、雪合戦できるぜ!!」

先ほどまで寒いのは嫌!と言っていた子どもたちだったが、雪合戦という言葉を聞いた途端、騒がしくなった。
温暖化の影響なのか東京では雪が降ることも少なく、雪と触れ合うことも滅多になかった。
異常気象などが起きていた今年に限っては例外であるが。

「雪合戦かぁ。」
「何やそれ?食べモンかいな?」
「違いますよ!雪合戦というのは雪をぶつけ合う遊びの一種ですよ!」

パートナーたちは光子郎の説明に耳を傾けていたが、実際に見たわけではないので、頭には?が浮かんでいた。
子どもたちが雪合戦話で盛り上がっている時、丈はそっとため息をついた。

「雪なんて降られたらたまらないよ…」

一番年上なんだから、みんなを守らなくてはいけない。
責任感が人一倍強い彼にとって、現状での雪は厄介なものでしかなかった。


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