夏色ドロップス | ナノ

act.05

まともに戦っても力では負けてしまう。
なにか弱点でもあれば…

「アンドロモンの弱点…あっ!」
「光子郎くん、あそこ!」
「はい!カブテリモン!右足だ!アンドロモンの右足を狙え!」

カブテリモンは光子郎の指示により、アンドロモンの右足を狙う。

「メガブラスター!」

カブテリモンの攻撃が当たると、アンドロモンの右足から黒い歯車が現れた。
その歯車は空高く上がると、パンと弾けて消えていった。

「また黒い歯車…?」
「消えた…」

アンドロモンを見ると、先ほどの目とは異なり、とても優しい目をしていた。

「邪心ガ落チタ…」

アンドロモンの話によると、機械に挟まっていた歯車を取ろうとしていたら、先ほどのようなことになってしまったようだ。
ああなってしまった原因は黒い歯車なのだろう。
聞きたいことはたくさんあったが、アンドロモンも人間のことは知らないようであった。

「ソノ代ワリ、ココカラ出ル方法、アドバイスデキル。地下水道ヲ行クトイイ。」
「ありがとう、アンドロモン!」
「キミタチノ幸運ヲ祈ル。無事、元ノ世界二帰レルヨウ…」

子どもたちは教えてもらった通り、地下水道を進んで行く。

「ねぇ、光子郎さん。さっき、パソコンでテントモンを進化させたんでしょ?僕のパタモンも進化させられるの?」
「できるかもしれない!」

再びパソコンを取り出し、操作をし始める。
ところが、突然電源が落ちてしまった。

「あれ、おかしいなぁ?」
「そういう時は叩くに限るっ!」
「そうだっ!」

それを見ていた太一とアグモンが光子郎に向かっていく。

「叩けー!」
「だめー!」
「純、危ないっ!」

太一とアグモンのパンチは光子郎に避けられ、そのまま叩くのを止めようとした純とその純の頭に乗っていたロップモンに当たってしまった。

「純ー!悪い!大丈夫か?!」
「…絶対許さない。」
「…アンタたちの能天気は叩いたって治らないって。」

空は純の頬を撫でながら、ただ呆れるのだった。
そして、工場を離れると使えなくなった光子郎のパソコンがこの世界の謎を解き明かす鍵であることはまだ誰も気付いていなかった。


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