夏色ドロップス | ナノ

act.01

延々と歩き続け、疲れきってい子どもたちは木陰で休んでいた。
木陰は涼しく、歩き続けて体が火照っていた子どもたちが休むにはもってこいであった。
子どもたちが木にもたれながら休んでいる間、光子郎は持ち歩いていたパソコンを取り出し、起動を試みた。

「やっぱり動かないよな…」

テントモンたちと出会ってからも何回もパソコンの起動を試みていたが、一度も起動できていない。
その様子を見ていた太一が光子郎のパソコンを取り上げ、バンバンと叩き出す。

「そういう時は叩くと直るって!」
「わーっ!!や、やめてくださいよ!」

光子郎は慌てて、太一の手から自らのパソコンを取り上げる。
太一の性格上、光子郎を思っての行動だろうが、叩いたせいでパソコンが壊れてしまっては元も子もない。

「誰だって大切にしているものを他人に触られたくないでしょ?」
「ちぇー。」
「ねぇ、あれなに?」

純の目線の先には、黒い煙が上がっている場所があった。
太一と純は競争だ!とばかりに走り出す。
その時、光子郎のパソコンの電源が入った。
しかし、よく見るとパソコンのバッテリーは0になっている。
不思議に思ったものの、太一と純に呼ばれ、光子郎はそちらへと足を向けた。
太一たちの目の前には大きな工場があった。


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