夏色ドロップス | ナノ

act.02

「よーし、夕食の支度といくか!」

湖の付近にはたくさんの食料があり、あっという間に十分すぎる量の食材が集まった。

「でも、どうやって火を起こすの?」
「原始人式に枝とか?」
「純ー、ぼくを誰だと思ってるのー?」
「ぼくのことも忘れないで!」

アグモンとテリアモンが薪に火をつけた。
こういう時もデジモンの攻撃は役に立つと学んだ瞬間だった。

ここ数日、毎日サバイバル生活をしているためか、調理にも慣れ、なかなか豪華な食事を用意することができた。
味もさほど悪くない。

「タケル。」
「なぁに、お兄ちゃん。」
「骨、取ってやろうか?」
「頭からガブっといけ!」

横から口を出してきた太一にヤマトは一瞬顔をしかめたが、それに気付く者はほとんどいなかった。
純だけは気付いていたが、あいかわらず、ブラコンだなーと気に留めなかった。

「純…タケルはヤマトのこと、お兄ちゃんって言ってるけど、あの二人、名字違うよな?」

太一がこの冒険が始まってから、ずっと気になってたことを口にした。

「あー、うん…」
「純はなんか知ってんのか?」
「うん、まぁ…でも、本人に聞いた方がいい、と思う。」
「やっぱそうだよなー。」

そう呟く太一は悲しそうだったが、ここで自分がヤマトとタケルのことを言うのはよくないだろうと思い、気付かないフリをした。


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