夏色ドロップス | ナノ

act.04

「くる!」

ふいにピヨモンが呟いた。
他のデジモンたちもその気配を感じたのか、海の方を見ていた。

突然、電話ボックスが次々と倒れていき、頭からイソギンチャクのようなものを生やしたピンク色の巨大な生き物が子どもたちの方へ向かってきた。

「シェルモンや!この辺はあいつらの縄張りやったんや!」
「行くぞ、みんなーっ!」

アグモンの掛け声でデジモンたちが一気に攻撃する。
しかし、アグモン、ロップモン、テリアモン以外の攻撃がシェルモンに当たることはなかった。
それどころか攻撃技が出せていない。

「すんまへん、腹減って…」
「力出ないよぅ。」
「そっか!さっきアグモンたちはご飯食べてたから!」
「ロッテリア!頑張って!」
「アグモンも!俺たちだけでなんとかするぞ!」

太一はシェルモンの気をそらすために走り出した。
シェルモンの気が太一にそれたところでアグモンたちが攻撃をする。

「ベビーフレイム!」
「ブレイジングアイス!」
「ブレイジングファイア!」

しかし、彼らの攻撃はシェルモンにダメージをあまり与えることができなかった。
それを見た太一がシェルモンを攻撃しようと試みたが、シェルモンの触手によって彼自身が捕えられてしまった。

「うわぁぁぁああ!」
「太一ぃっ!!なんとかしないと…!!」
「わかってる!」

しかし、アグモンたちがいくら攻撃してもシェルモンにダメージは与えられていないようだった。

「くそっ、このままじゃみんなが…!!なんとかならないのか…!!」

アグモンたちの頑張りも虚しく、シェルモンにきつく締め付けられる太一。

「アグモーン!」
「太一ーっ!」

その時だった。
太一の腰に付けられていた、あの機械が光り始めたのだ。
そして、アグモンへ天から光が降り注いだ。

「アグモン、進化!グレイモン!」

光が消え、そこに現れたのはシェルモンの大きな体に引けをとらない大きさのデジモンだった。
その姿はまさに恐竜。
オレンジ色の大きな恐竜であった。


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