夏色ドロップス | ナノ

act.02

辺りをより見渡せるようになった子どもたちは、海岸に海の家を見つけた。
海の家独特の氷の看板を見た子どもたちは疲れを忘れ、一目散に海の家へと入っていった。
その途端、海の家の入り口が砂でふさがれた。
目の前にはアノマノカリモンがおり、攻撃する間もなく、純たちは気を失ってしまった。


「ん…私…」

純が目を覚ますと、砂まみれになった子どもたちの姿が目に飛び込んできた。
その中にミミと丈の姿はなかった。

「みんな。しっかりして!」

純が必死に子どもたち、パートナーたちを起こしていると、リリモンやズドモンたちが飛び込んできた。
リリモンたちの指示に従い、海の家を飛び出すと、間一髪のところで海の家から火の手があがった。

「もう大丈夫だな。」
「大丈夫じゃないかも…」
「なんだ?なにがあったんだ?」
「アノマノカリモンに対して、イッカクモンとトゲモンでは相手にならなかった。ズドモンとリリモンに進化してようやく勝てたんだ。」
「メタルシードラモンと戦っても、勝ち目は少ない…と思う。」
「ピッコロモンの言うとおり、人数が揃っただけでは勝てない…まだデジモンたちの成長・進化が足りないってことか…」

その時、海で高い波が起こった。
姿を現したのはメタルシードラモンだった。

「ここは私に任せて。みんなはズドモンで逃げて!」

リリモンはそういうと、一人でメタルシードラモンへと向かっていった。
リリモンが囮になっている間に子どもたちはズドモンに乗り、海へと出た。
メタルシードラモンはリリモンを見失ったのか、標的をズドモンへと変えた。

「ズドモン!気付かれた!」
「急げ!逃げろ、ズドモン!」
「フラウカノン!」

メタルシードラモンの後ろからリリモンが攻撃を放つ。
リリモンはパルモンへと退化させられたものの、ミミの腕の中に落下し、無事だった。
メタルシードラモンは海の中へ潜り、姿を隠していた。
子どもたちは集中して辺りを見渡していたが、子どもたちが反応するより早く、ズドモンへ体当たりをし、子どもたちはズドモンから落とされてしまった。

その時、純たちの足元の水面に大きな影が現れた。
大きなその姿に純は見覚えがあった。

「ホエーモン!」

ホエーモンはそのままメタルシードラモンに体当たりをすると、子どもたちを体内へと招き入れた。

「助かったぞ!ホエーモンが体内で守ってくれる!」

ホエーモンは子どもたちを体内に隠したまま、海の奥底へと潜っていった。


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