突然、ミミは大声をあげた。
「いや、いやよ。私、普通の小学生だったのよ?!なんでこんなところで死ななきゃならないのよ?!」
「ミミちゃん…」
「もっとお洒落して、もっとおいしいもの食べて、海外旅行とかもして、それから…」
「少々耳障りですね。では、あなたからにしましょうか。」
ピエモンの言葉にミミは涙を止めた。
ピエモンはミミに向かって小型のナイフを投げた。
「クレシェモン!」
クレシェモンはそれを見て、飛び出したが、間に合わない。
だが、ミミにそのナイフは刺さらなかった。
ミミに抱えられていたチューモンがミミを庇ったのだ。
「チューモン、しっかりして、ねぇ…!」
「今度、生まれ変わったら、デートして…」
チューモンはそう言い切ると、目を瞑り、消えた。
「愚かなデジモンですね。そんなに死に急ぐことはないでしょうに…」
「チューモンは愚かなんかじゃない!許さない…絶対に許さない…!!クレシェモン!」
「ピッドボム!」
クレシェモンがダークマスターズに向かおうとした時、光の閃光がダークマスターズを襲った。
その隙に子どもたちはピッコロモンに連れられ、その場を後にしていた。
クレシェモンはロップモンとテリアモンへと退化していた。
「ピッコロモン!私をあいつらのところに戻して!あのままになんてしたくない!!」
「バカモン!今闘っても勝てるような相手じゃないッピ!子どもたちが一人でも欠けたら、倒せるものも倒せなくなるッピ!」
「それはそうかもしれないけど…」
「人数は揃っていても、まだ勝てる段階じゃないんだッピ!」
「なにが足りないの?!」
ピッコロモンにそう問いかけたとき、ダークマスターズにピッコロモンの結界が見つかってしまった。
「ダークマスターズは私が引き受けるッピ!」
「引き受けるって…あいつら、全部究極体だぞ?!」
「分かっておるッピ!勝つのは無理でも、いくらでも手はあるッピ!」
「だったら、俺(私)も!」
「さっきの話を聞いてなかったのかッピ!お前らはこの世界の最後の希望だッピ!」
そういうと、ピッコロモンは自身の結界から飛び出した。
「ピッコロモン!」
「純!ダメだ!ピッコロモンの言うとおりだ!俺たちがやられたら、元も子もない。」
「でもっ!!何が足りないのかも分からない!」
「お前たちならきっと見つけられるはずだッピ!足りないなにか。そうすれば、必ず勝てるッピ!いけ、選ばれし子どもたちよ!」
ピッコロモンは結界に剣を振りかざすと、結界を遠くへと飛ばした。
「ピッコロモン!ピッコロモーン!」
結界の中には純の叫びが木霊した。
その瞬間、辺りに地割れのようなドーンという大きな音が響いた。
「ピッコロモン…ピッコロモン…!!」
ピッコロモンの死を感じ取った純は泣き崩れていた。
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bkm