夏色ドロップス | ナノ

act.03

「いってて…」
「今度はなに…」

体に痛みを覚え、目を開けると、今度はコロッセオのような場所にいた。
辺りを見渡せば、突然ピエロが現れた。

「よい子のみんな。今日は面白い話を聞かせてあげよう。」

そういうと、ピエロはどこからか紙芝居を取り出した。
その紙芝居には心なしか子どもたちとパートナーのイラストが描かれているように見えた。

「昔々、あるところに9人の選ばれし子どもたちと10匹のデジモンがいました。9人と10匹はおろかにもスパイラルマウンテンに登ろうとしました。そして、ダークマスターズにやられてしまいました。おしまい。」
「なにそれ!全然面白くないよ!」
「君たちのこれからの運命を教えてあげたのです。感謝してほしいものですね。」

ピエロはそう言い切ると姿を変えた。

「ピ、ピエモン!」

彼こそダークマスターズの最後のひとり、ピエモンだった。
もちろん、究極体だ。

「お前らなんかに負けてたまるか!アグモン!」
「ガブモン!頼んだぜ!」
「ロップモンとテリアモンもお願いっ!」

太一、ヤマト、純はパートナーにデジヴァイスをかざした。

「アグモン、ワープ進化!ウォーグレイモン!」
「ガブモン、ワープ進化!メタルガルルモン!」
「ロップモン、テリアモン、ヒュージョン進化!クレシェモン!」
「いけー!ウォーグレイモン!俺たちの力を見せつけてやれ!」
「メタルガルルモン!あいつを倒して、世界を救うんだ!」
「クレシェモン!暗黒の力なんてふっ飛ばしちゃえ!」

3体は一斉にピエモンへと襲いかかった。

「ガイアフォース!」
「コキュートスブレス!」
「アイスアーチェリー!」

しかし、技はすべて交わされてしまった。

「トランプソード!」

逆にピエモンの技を受け、ウォーグレイモンとメタルガルルモンは倒されてしまうのだった。
ギリギリのところで避けたクレシェモンは子どもたちとパートナーを庇うように立っていた。

「クレシェモン、気を付けて!」
「究極体二体でも敵わないっていうの?」
「敵も究極体なんでしょ?!」
「同じ究極体といっても、あなた方は進化できるようになって間がない。勝てると考えるのは大きな間違いです。」

クレシェモンはピエモンを睨みつけていた。

「では、この辺で私たちダークマスターズのメンバーを紹介しましょう。メタルシードラモン。」

ピエモンが合図を送ると、床が割れ、メタルシードラモンが、

「ムゲンドラモン!」

壁が割れ、ムゲンドラモンが、

「ピノッキモン!」

宙から逆さづりの状態でピノッキモンが姿を現した。

「そして、私ピエモン。楽しい時間というのは瞬く間に過ぎていく。さぁて、誰から終わりにしましょうか。」

ピエモンは子どもたちをひとりずつ眺めていった。
純はぐ、と拳を握りしめた。


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bkm
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