「いってて…」
「今度はなに…」
体に痛みを覚え、目を開けると、今度はコロッセオのような場所にいた。
辺りを見渡せば、突然ピエロが現れた。
「よい子のみんな。今日は面白い話を聞かせてあげよう。」
そういうと、ピエロはどこからか紙芝居を取り出した。
その紙芝居には心なしか子どもたちとパートナーのイラストが描かれているように見えた。
「昔々、あるところに9人の選ばれし子どもたちと10匹のデジモンがいました。9人と10匹はおろかにもスパイラルマウンテンに登ろうとしました。そして、ダークマスターズにやられてしまいました。おしまい。」
「なにそれ!全然面白くないよ!」
「君たちのこれからの運命を教えてあげたのです。感謝してほしいものですね。」
ピエロはそう言い切ると姿を変えた。
「ピ、ピエモン!」
彼こそダークマスターズの最後のひとり、ピエモンだった。
もちろん、究極体だ。
「お前らなんかに負けてたまるか!アグモン!」
「ガブモン!頼んだぜ!」
「ロップモンとテリアモンもお願いっ!」
太一、ヤマト、純はパートナーにデジヴァイスをかざした。
「アグモン、ワープ進化!ウォーグレイモン!」
「ガブモン、ワープ進化!メタルガルルモン!」
「ロップモン、テリアモン、ヒュージョン進化!クレシェモン!」
「いけー!ウォーグレイモン!俺たちの力を見せつけてやれ!」
「メタルガルルモン!あいつを倒して、世界を救うんだ!」
「クレシェモン!暗黒の力なんてふっ飛ばしちゃえ!」
3体は一斉にピエモンへと襲いかかった。
「ガイアフォース!」
「コキュートスブレス!」
「アイスアーチェリー!」
しかし、技はすべて交わされてしまった。
「トランプソード!」
逆にピエモンの技を受け、ウォーグレイモンとメタルガルルモンは倒されてしまうのだった。
ギリギリのところで避けたクレシェモンは子どもたちとパートナーを庇うように立っていた。
「クレシェモン、気を付けて!」
「究極体二体でも敵わないっていうの?」
「敵も究極体なんでしょ?!」
「同じ究極体といっても、あなた方は進化できるようになって間がない。勝てると考えるのは大きな間違いです。」
クレシェモンはピエモンを睨みつけていた。
「では、この辺で私たちダークマスターズのメンバーを紹介しましょう。メタルシードラモン。」
ピエモンが合図を送ると、床が割れ、メタルシードラモンが、
「ムゲンドラモン!」
壁が割れ、ムゲンドラモンが、
「ピノッキモン!」
宙から逆さづりの状態でピノッキモンが姿を現した。
「そして、私ピエモン。楽しい時間というのは瞬く間に過ぎていく。さぁて、誰から終わりにしましょうか。」
ピエモンは子どもたちをひとりずつ眺めていった。
純はぐ、と拳を握りしめた。
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bkm