夏色ドロップス | ナノ

act.04

しばらく石田家と共に過ごしたとき、シンがバイクに乗って現れた。
ビックサイトの人たちが目を覚ましたことを報告に来てくれたのだ。
ビックサイトに親を残してきた純たちはそのことをとても喜んだ。
しかし、喜びも束の間。
空に映る大陸が実際に存在するものであることが確認されたとハンディテレビから流れてきたのだ。

「これもヴァンデモンの仕業なのか?」
「そんなことないよ!今度こそ確実にヴァンデモンは倒したんだから!」
「うん!間違いない!」
「…ねぇ、あれ、ムゲンマウンテンじゃないの?」

純は太一に単眼鏡で一際高くそびえる山を見るように促した。
太一は純の言う山がどこにあるのか分からず、いろんな場所を見ていたが、ムゲンマウンテンは見つけられなかった。
代わりに一機の飛行機を見つけた。
その飛行機は様子がおかしく、しばらくフラフラしていたかと思うと、突然急降下し始めた。
それを見たピヨモンがガルダモンへと進化し、飛行機は事なきを得た。
そして、戻ってきたピョコモンは飛行機を助ける際に頭上に映る大陸からクワガーモンが飛んできたことを告げた。

「じゃあ、やっぱりあれは…」
「えぇ。純さんの考えている通りです。あの大陸はデジモンワールドです!」

ハンディテレビには世界中の至る所にデジモンが出現していると伝えていた。
そして、そのデジモンたちに触れると凍ってしまうこともピョコモンによって伝えられた。

「ねぇ、こっちの世界に私たちが戻ってきてからどれくらい?」
「もう数日は経ってます。」
「じゃあ、あっちではもう何年も経ってるってことだよね?」

自分たちが現実世界にいる間にデジモンワールドでなにかが起こっていることは明らかだった。


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