パートナーたちはそれぞれ幼年期へ、テイルモンだけは成長期へと退化していた。
「「純ー!!」」
「チョコモン!グミモン!二人ともカッコよかったよー!」
「えっへーん!」
「僕たちにかかれば、余裕ー!」
子どもたちがパートナーと勝利を喜びあい、空を見上げれば、霧がどんどん晴れていった。
しかし、霧が晴れた先には思い描いていた空は映っていなかった。
空に幾筋もの帯状に大地、森、海が浮かんでいた。
「タケル!タケル!」
夜空に見慣れないものが浮かんでおり、不安で埋め尽くされたこの状況を破ったのはタケルの名を呼ぶ声だった。
それはヤマトとタケルの母、奈津子のもの。
「ヤマト…純ちゃん…」
奈津子が二人の存在に気付くと、タケルは奈津子の手を引き、ヤマトと純の元へ駆け寄った。
「ヤマト…また背が伸びたんじゃない?」
「うん…少し。」
「純ちゃんもまた更に可愛くなったわね。」
「前から可愛かったでしょ?」
「ふふ、そうだったわね。ヤマトも、純ちゃんも元気そうね。よかった。」
離れた位置には裕明がおり、偶然にも石田家がここに揃った。
純は家族水入らずを邪魔しないよう、そっとその場を離れようとした時、タケルがヤマトと純の手を握った。
「久しぶりだね、お兄ちゃん!みんなが揃ったの!」
「あぁ、そうだな。」
「本当は嬉しいくせに!もっと素直に喜びなよ、ヤマト!」
「純、うるさい!」
「てゆーか、私邪魔じゃない?どっか行こうか?」
「変な気ぃ遣うなっつの!お前も家族同然だろ。」
奈津子はヤマトと純のそんなやりとりを見て、安心していた。
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bkm