夏色ドロップス | ナノ

act.01

目の前に現れた三体は僅かに、でも確かにパートナーの面影を残していた。
アグモンは全身に甲冑をまとった戦士のようなデジモンに、ガブモンは全身を機械化した狼のようなデジモンに、そして、ロップモンとテリアモンは両手に武器を持ったウサギのようなデジモンに。
その姿は間違いなく、パートナーたちであった。

「究極体…アグモンとガブモンが究極体デジモンに進化したんだ…」
「でも、ロップモンとテリアモンは完全体のまま…」
「あの大きさで大丈夫、なのか…?」

太一たちが心配するのも無理はなかった。
ウォーグレイモンとメタルグレイモンは究極体、クレシェモンは二体が一体化した完全体ではあるが、三体とも大きさは2メートル強。
目の前に見えるヴェノムヴァンデモンより明らかに小さい。
純たちが不安になる中、先陣を切ったウォーグレイモンがヴェノムヴァンデモンに立ち向かうと、ヴェノムヴァンデモンは簡単に吹き飛んだ。
そして、メタルガルルモンから発射されたミサイル、クレシェモンから放たれた矢により体が凍りついた。

「強い…!」
「クレシェモンは本当に完全体なの?ウォーグレイモンたちに負けないくらい強い!」

しかし、喜んだのも束の間。
氷はすぐに割られ、ヴェノムヴァンデモンが攻撃を繰り出し始めた。
次々と繰り出される攻撃の前にデジモンたちはもちろん、純たちも逃げ回るのに必死だった。

「ヴェノムヴァンデモン!私たちが相手よ!」

攻撃を避けるので必死だった三体の元に他のパートナーたちが集まってきた。
残りの子どもたちもビックサイトから応援に駆けつけていた。

「よし、みんなで一斉攻撃だ!」
「チクチクバンバン!」
「ハープーンバルカン!」
「メテオウイング!」
「メガブラスター!」
「ヘブンズナックル!」
「ホーリーアロー!」
「ダークアーチェリー!」
「フリーズボンバー!」
「ブレイブトルネード!」

それぞれの攻撃が決まり、最後にウォーグレイモンがヴェノムヴァンデモンの胴体に穴をあけた。
しかし、200メートルを超すヴェノムヴァンデモンに対してその大きさでは十分なダメージを与えることが出来ず、まだ倒れずにいた。


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