「わ、たしも…?」
「絆の力の奇跡が起きた…この事からも、そう考えるのが自然だと思います。」
「エンジェモンとエンジェウーモンがあんさんらに愛の矢を放つんです!」
光子郎はまだ憶測の段階ですが…と付け加えたが、太一、ヤマト、純の三人は顔を見合わせた。
「どう思う?」
「きっとそれだ!」
「考えてる暇はないよ!」
「ヒカリ!」「タケル!」「二人とも!」
三人はヒカリとタケルを見据えた。
「エンジェウーモンの光の矢を。」
「エンジェモンの希望の矢を。」
「私たちに向けて放って!」
ヒカリとタケルは兄たちの心配をして、なかなか首を縦には振らなかった。
けれど、兄たちの決心は強い。
それを感じ取ると、タケルとヒカリもまた強い決心を胸に力強く頷いた。
「私の光を…」
「僕の希望を…」
タケルとヒカリの紋章が眩く輝き、エンジェモンとエンジェウーモンの元まで届いた。
そして、その光は希望の矢、光の矢へと姿を変えた。
その様子を見上げながら、ヤマトが呟いた。
「怖いか?」
「怖くない。…といえば、嘘だ。」
「実は…俺もだ。」
「私も…なんでか間に挟まれて逃げられないし、実の兄弟ですらないし…」
「お前、こんな時までなに言ってんだよ…」
「でもね、二人がこうやって手を握っててくれたら大丈夫な気がする。」
「…俺もだ。俺が逃げないようにしっかり手を繋いでてくれ。」
「俺の方こそ頼んだぜ。」
三人が手を取り合うと、それぞれの紋章が光を放ち始めた。
そして、エンジェモンとエンジェウーモンは奇跡を信じ、矢を三人へと放った。
その矢は三人の繋がれた手へと刺さり、体が輝き始めた。
「アグモン、ワープ進化!ウォーグレイモン!」
「ガブモン、ワープ進化!メタルガルルモン!」
「ロップモン、テリアモン、ヒュージョン進化!クレシェモン!」
光が消え、現れたのは三体のデジモン。
彼らはヴェノムヴァンデモンの前に立ちはだかった。
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