夏色ドロップス | ナノ

act.05

踏みつぶされる、と覚悟して目を瞑った。
しかし、いつまで経っても押しつぶされるような圧迫感は襲ってはこず、純たちは紋章から放たれる光によって守られていた。

「な、なにこれ…」
「ホーリーアロー!」
「ヘブンズナックル!」

純が呟いた途端、ヴェノムヴァンデモンに二つの光がぶつかるのが見えた。
そして、その傍にはエンジェモンとエンジェウーモンの姿があった。
純は腰が抜けて立ち上がれずにいると、近くに裕明の車が止まった。

「「純!」」
「あ、太一にヤマト…」
「無茶はしない約束だろ!」
「そ、それは…」
「…でも、よく頑張ったな。アグモンも。」
「ごめん…俺たちじゃ敵わない…」
「あいつ、強すぎるよ…」
「僕たち全員、完全体だったのに…!」
「どうしたら、いいんだよぉっ…」

太一たちと共に来た光子郎がパソコンで調べると、ヴェノムヴァンデモンが究極体であることが分かった。
究極体は完全体より上の進化。
完全体のメタルグレイモンたちが敵わなくてもおかしくなかったのだ。
そして、聖なる力を持ったエンジェモン、エンジェウーモンの力でも敵わなかった。

「そうだ!あの予言の続きは?」

"天使たちがその守るべきものの最も愛する人たちへ光と希望の矢を放ったとき
絆の力の奇跡が起きた"

「エンジェモンとエンジェウーモン。彼らが天使たちですね。」
「守るべきものはタケルくんとヒカリちゃん?」
「そうです。次は最も愛する人たち…僕なら、お父さんとお母さんです!」
「家族だ。愛する人たち…親兄弟だ!」
「ちょっと待ってください。愛する人たち、ですよ。つまり、複数…」

光子郎たちの視線は自然と太一、ヤマト、そして純へと向けられた。


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