結局、脱出することはできず、岸に戻ってきたとき、無数のギザモンが一気に襲ってきた。
ガブモンたちが攻撃するが、次々に現れるギザモンはきりがなく、全員で車に飛び乗った。
しかし、発車するより早く、ギザモンによって車を横転させられ、純たちは逃げることができなくなってしまった。
もうだめか。
そう思った時、ギザモンが一匹残らず姿を消した。
「一体、なにが…」
「あれ見て!」
なんとか車から体を出せば、先ほどヴァンデモンと戦った場所へ無数のコウモリが飛んでいくのが目に入った。
「はじめにコウモリの群れが空を覆った…」
「予言のはじまり?」
純たちは急いで太一たちのいるビックサイトへと足を進めた。
そこで見たのは大人たちが口々にヴァンデモンの名を呼ぶ、異様な光景だった。
「純、こっちだ。」
「お父さん!お母さん!!」
純は太一に案内され、両親の元へ駆け寄った。
しかし、純を目の前にしても、言動は変わらない。
「お父さん…お母さん…っ。」
「純、しっかりしろ。お前が親父さんたちを助けるんだろ!」
ヤマトも久々に見た純の両親の姿を見て、動揺しなかったわけではないが、純を励まし続けた。
シンによると体自体はまだ寝ている状態で寝言を言っているだけのようだった。
それでも、このような寝言を言っている事がただ事ではないと感じ取れた。
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bkm