夏色ドロップス | ナノ

act.03

濃霧に覆われた薄暗いお台場に人間の姿はなく、そこはまるでゴーストタウンのようだった。

「純ー!太一ー!」

町中を徘徊するデジモンたちから身を隠しながら進んでいると、頭上から太一と純を呼ぶ声がした。

「空!バードラモンも!」
「無事だったのか!」
「ビックサイトよ!みんなヴァンデモンに捕まってるの!」

空によれば、ビッグサイトにはミミもおり、太一の両親、そして純の両親もいるとのこと。
空にヤマトたちの居場所を伝え、純たちはビックサイトへと再び足を進めた。

二人がビックサイトに着いたと同時にヴァンデモンはどこかへと飛び立っていった。

「どこへ行くんだろう…」
「とりあえず、中に行ってみよう。」

純たちがビックサイトの中へ進むと、ヴァンデモンの手下であるバケモンが一斉に襲いかかってきた。
アグモンたちが進化し、バケモンを倒すと、その音を聞きつけたミミが駆け寄ってきた。

「ミミちゃん!みんなは?!」
「眠らされちゃったの!それより、ヴァンデモンが九人目の子どもが見つかったって言ってたよ!」
「なに?!まさか…ヒカリの身に…」

三人は一目散にヴァンデモンを追いかけ始めた。
ヴァンデモンの向かった先はテレビ局でその入り口付近にはすでにワーガルルモンたちがヴァンデモンの手下と対峙していた。
それはヤマトや他の子どもたちが既に集まっているということ。
純たちは急いでヒカリたちの元へ向かった。

ミミがヤマトたちの元へ辿り着いたとき、ヒカリはヴァンデモンと対峙していた。
純と太一もまた、ミミたちとは別の場所からヒカリの姿を見つけていた。

「ちょーっと待ったー!ヒカリちゃんに手を出したら承知しないんだからっ!!」
「ヒカリ!受け取れー!!」

太一はデジヴァイスを投げ、ヒカリはそれをキャッチしたが、すぐにピコデビモンに奪われてしまった。


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