夏色ドロップス | ナノ

act.02

裕明を見送りながら、純はヤマトに昨日のことを話す決心をした。

「…なにが起こってるんだ…」
「ヤマト…驚かないで聞いてね。あのね、実は九人目の選ばれし子どもはヒカリちゃんだったの。」
「えっ?!」
「それからヒカリちゃんのパートナーはテイルモンで…」
「純、ちょっと待ってくれ…ヒカリちゃんが九人目なのはまだ理解できる。そのパートナーがテイルモンだって?テイルモンってヴァンデモンの手下だっただろ?本当にパートナーなのか?」

純はこくり、と首を縦に動かした。
ヤマトは一瞬驚き、考え込む表情をしたが、ここで純が嘘をつく理由がないと話を進めた。

「テイルモンは今、ヒカリちゃんといるのか?」
「ううん…昨日、ヴァンデモンから助けてあげられなくて…テイルモン、連れて行かれちゃったの…!!それなのに…私たちだけ、こんな安全なところに隠れてていいの?」
「純…」

考え込むようにヤマトが目線を下げたとき、太一とアグモン、そしてヒカリの姿が目に入った。

「太一!アグモン!」
「え…あ、ヒカリちゃんも!よかった…無事だったんだ!」

太一たちはそのまま純たちと合流した。
改めて今置かれている状況を確認しあうと、お台場にいた人たちがヴァンデモンの手下によって連れ去られていることを知った。

「ヤマト、純。しばらくヒカリを預かっててくれないか?」
「…あぁ。わかった。」
「太一はどうするの?」
「俺は母さんたちを迎えに行く。」
「太一、私も連れてって、お願い!私のお父さんたちもいるかもしれないの!」
「わかった。ヤマト、2時間経って俺たちが戻らなかったら、ヒカリを連れて脱出してくれ。行くぞ、純!」
「うん!」

純と太一はヒカリをヤマトに任せ、お台場にいた人々、そしてテイルモンの救出へと向かった。


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