デジモンたちはガブモン、ロップモン、テリアモン、パタモンの姿になり、道路に倒れこんだ。
「ガブモン…」
「ロッテリア、お疲れ様…」
「パタモン…今度は…」
前回、エンジェモンに進化した時にデジタマへと戻ってしまったため、タケルは泣きそうな顔でパタモンを抱き上げた。
「うん。大丈夫だよ、タケル。」
「怒って…ごめん…!!」
「泣くなよ、タケルー。」
純たちは再び歩き始めた。
歩いて行った先々にはパンプモン、ゴツモンとの思い出が溢れていた。
「帰ろう。」
「うん。」
重い空気のまま、三人は三軒茶屋へと足を向けるのだった。
しかし、地下鉄までの道のりも遠く、ロップモンとテリアモンを抱えていた純の歩くスピードはどんどん遅くなっていた。
「純、ロップモンかテリアモン、持とうか?」
「あ、うん。お願いしていい?」
「じゃあ、僕が乗るー!」
その言葉を聞いたテリアモンがピョーンとヤマトの頭へと乗り移った。
初めてのヤマト、ということもあり、テリアモンはヤマトの頭をポンポンと叩く。
「んー…太一の方がフカフカだねー。」
「太一はボリュームあるからな、髪の毛。」
「でも、気持ちいいんだよー?僕、太一好きー。」
「…犬は飼い主に似るっていうけど、デジモンはパートナーに似るんだな。」
「純ちゃん、太一さんのこと大好きだもんね!」
「うぇ?!そ、そんなことないよ!好きじゃない!好きじゃない!」
突然暴露されたその話を純は否定するが、顔を赤く染めて慌てる姿では否定とは受け取れなかった。
それでも、少しだけ明るくなったみんなの姿を見て、まぁ、いいか。と考え直すのだった。
はじまりの街の存在を聞いたのは、タケルの家に着く、ほんの少し前だった。
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bkm