夏色ドロップス | ナノ

act.01

「純、まだか?」
「ちょっと待ってよ!確かこの辺にあったと思うんだけど…」

次の日の朝、純の家には純とロップモン、テリアモンの他にヤマトとガブモンの姿があった。
純たちは九人目の子どもを見つけるため、光が丘に住んでいた頃、つまり、小学一年の頃の名簿を探している。
ヤマトと純は一年の頃から同じ学校だったため、名簿も同じもの。
つまり、どちらかの名簿が見つかればいい。
ヤマトの名簿は自宅にあるか、タケル宅にあるのか分からないため、純の名簿を探すことになったのだ。

「純ー。これはー?」
「それは幼稚園の時のアルバム。」
「これはー?」
「それは教科書!」
「ヤマトォー。これは違うー?」
「それはタウンページ…どこにしまったんだよ…」
「私に言われても…あ!!」

純は電話の下の棚に置いてあったファイルをペラペラとめくり始めた。

「あったー!」

そこには第四小学校と書かれた一冊の冊子。
それこそ、純たちが探していた名簿だった。
純たちはすぐさま目的地へと足を進めた。

光子郎が芝浦付近で九人目の子どもの反応はキャッチしたという事実は昨夜のうちに告げられていた。
今後の作戦を練るために子どもたちは再び集まることにしたのだった。

「なんか…すごい騒ぎになってるわね。」
「テレビでも朝からこのニュースばっかだからな。」
「でも、今までとなにか違うんだよね…」
「前に俺と純がこっちに帰ってきたときもデジモンは現れた。でも、それは俺と純、それからヒカリにしか見えなかった。それが今度は…」
「たくさんの人に目撃されて、こんなに大きなニュースになってる…」

それはきっとヴァンデモンのゲートを通ってきたから。
今後、あのゲートを通って大量のデジモンが襲ってきたとしたら…
更なるパニックになることは間違いなかった。

「そうさせないためにも早く九人目の子どもを見つけないと…」
「そうだ!そして、デジモン世界を救うんだ!」

子どもたちは意気込みを新たにした。
その時、背後から気の抜けた声がした。
この場にいなかった丈である。
丈はなかなか名簿が見つからず、遅刻してしまったのだった。

「緊張感のねぇやつ。」
「太一みたいに名簿探すの諦めればよかったのにね。」

太一が名簿を探したものの、見つからなかったというのはアグモンに聞いて知っていた。
純は太一に小声でそれを伝えると、絶対内緒にしとけよ、と言わんばかりのジェスチャーをされた。


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -