夏色ドロップス | ナノ

act.05

「後ろの席の僕たち。お前ら空ちゃんとミミちゃんと純ちゃんのおまけなんだからな。分かってんだろうな?」
「はーい。僕たちおまけでーす。」
「おまけは静かにしてんだぞ。じゃねぇと、高速だろうがどこだろうがほっぽりだすかんな。」
「はーい。静かにしてまーす。」

乗った車の運転手は明らかに女の子三人を贔屓しており、男の子五人は肩身の狭い思いをしていた。

「乗せてもらってる身だけどさー、なーんかやな人だよねー。太一、あんな大人になっちゃダメだよ。」
「なるわけねぇだろ!」

お台場に向かう途中でハプニングが起きた。
コロモンが突然震えだしたかと思うと、車内でうんちをしてしまったのだ。
当然、においが車内中に広がり、車が止まった瞬間、全員車の外へ飛び降りた。

「お、お前ら…俺の愛車にクソしやがったのは誰だぁー!!」
「ごめ…」
「あたし!あたしがしたの!ごめんなさい、すぐにきれいにするから。」

コロモンをかばおうとした太一を空がかばったが、運転手の男がそれを簡単に信じるはずがない。
男は後ろに乗っていた丈を疑い、それを助けようとした光子郎が川へと転落していく。

「うっうわぁぁぁあああ!!」
「光子郎くん!!」
「モチモン、進化!テントモン!」

テントモンが落ちる寸前でなんとか光子郎を受け止めた。
しかし、その直後、川から現れたのはイカの姿をしたゲソモン。

「海のデジモンはおいらに任せて!ゴマモン、進化!イッカクモン!」

イッカクモンは川に飛び込むとゲソモンの攻撃を交わし、あっという間に撃退した。
そして、子どもたちはイッカクモンに乗ったままお台場へと向かうのだった。


「なんか大騒ぎになっちまったな。」
「仕方ないよ。デジモンが現れちゃったんだし…」
「ま、なんとかなるさ!」

なんとか無事にお台場に帰りつこうとしている子どもたち。
だが、九人目の子どもの手掛かりは見つかっていない。
ヴァンデモンの夜が刻一刻と近付いていた。


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