その時、部屋中に大きな音が響き渡った。
なにかが崩れるような音。
「僕見てくる!」
パタモンは様子を見に、来た道を戻っていった。
しばらくすると、パタモンが慌てて戻ってきた。
「大変ー!!城が崩れてくよー!」
「なんだって?!」
戻るための通路も塞がれ、子どもたちのいる部屋もいつ崩れるかわからない。
一刻も早くカードの並べ方を決めなければならなくなった。
「太一に純くん。僕は君たちに任せる。」
「なんだよ、急に!」
「そうですよ、丈先輩!そんな大役…!!」
「無責任で言ってるわけじゃないぞ。とにかく僕は太一と純くんを信じる!」
そう言い切った丈の顔は清々しかった。
そして、その発案にヤマトも続いた。
「俺も!こういう時はリーダーの決断に従おう!」
「おいおい。いつから俺がリーダーになったんだよ。」
「太一がリーダーなのは分かるけど、私はリーダーじゃないよ!」
「お前らがいなくなった途端、俺たちはバラバラになった。そんな俺たちをまた集めてくれたのはお前たちじゃないか!」
突然肩を掴まれ、太一と純は何も言い返せなかった。
他の子どもたちも丈とヤマトの意見に賛成した。
意を決した太一と純は目を合わせると、一つの案を提案した。
「じゃあ、光子郎くん!」
「お前が選んでくれ!」
突然、名前が挙げられた光子郎は不安げな顔つきではあったが、他の子どもたちは太一の意見に賛成している姿を見て、覚悟を決めた。
光子郎は石板の前に立ち、パソコンを開いた。
パソコン画面に現れたのはこれまでに出会ってきたデジモンたち。
そこで光子郎はあることに気付いた。
「デジタマモンとトノサマゲコモンに会った人!」
「あ、僕だ。」
「デジヴァイスを!」
光子郎は丈からデジヴァイスを受け取ると、パソコンに接続し、デジタマモンとトノサマゲコモンの情報を送った。
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bkm