夏色ドロップス | ナノ

act.03

「まぁ、いいや!適当にはめ込んでみようぜ!」

太一がそう言うと、ゲンナイはものすごい勢いでそれを止めた。

「ダメじゃよ!そんなことしたら、全くワケのわからん別の世界に飛ばされてしまう!」
「そんな…他の世界って他にもそんなにあるものなの?」
「そうじゃよ。更にお前たちが不完全に復元されることもある。」

そのため、カードは必ず正しい位置に置き、現実世界へと戻らなければいけないのだ。
太一はカードを見ながら、怪訝な顔をしていた。
この日は夜も遅くなっており、ゲンナイの家に泊まることとなった。

子どもたちが朝食を食べ終えた頃、ゲンナイが現れた。

「準備はいいかな?」
「はい!」
「光子郎のパソコンにアダプタを取り付けた。ここにデジヴァイスを差し込めば持ち主が出会ったデジモンの情報を加えられる。新機能もいくつか入れておいた。暇なときにマニュアルを見ておきなさい。」
「ありがとうございます。」
「選ばれし子どもたちよ。大変だろうが、力を信じなさい。役に立たなくてすまん。行け、子どもたちよ。幸運を祈っておる。」

子どもたちは再びヴァンデモンの城へと足を進めた。
城の中にはデビドラモンは待ちかえまえており、アトラーカブテリモンが囮となっている間に石板のある間に石板のある部屋へと進むことになった。
遅れてきたモチモンも一緒に石板の前で先ほどのカードを見るが、やはり並べ方が分からない。
突然、太一がカードを分け始めた。

「なに、それ?」
「いいやつ、悪い奴、汚いやつ。」
「そうかぁ?小さい奴、普通の、大きいの。」
「うーん。じゃぁ、これはどうだ?弱い奴、まぁまぁな奴、強い奴。」
「でも、どれがはずれなの?」

太一に続いて、丈とヤマトも並び替えたが、それもピンとは来なかった。
でも、はずれがどれなのかは分からない。
子どもたちがカードの置き場を考えている間、光子郎はカードを並べる石板を眺めていた。


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