いくらゲートを叩いてみても再び開かれることはなく、襲ってくるデビドラモンから逃げるため、子どもたちはヴァンデモンの城を後にし、すぐさまゲンナイの元へと向かった。
「そうか。それは残念じゃった。」
ことの成り行きを説明すると、ゲンナイは落ち着いた様子で淡々と話を進めるが、子どもたちは焦りを隠せなかった。
それもそのはず。
ヴァンデモンたちは日本へとすでに向かっており、九人目の選ばれし子どもの命が危なくなるのはもちろん、日本中が大混乱に陥るのは必然のことだからだ。
「もう一度、ゲートを開けることはできないのか?!」
「できないことはない。」
「ホント?!どうやって開けるの?」
「簡単には説明できん。道具を使うしのぅ。」
「ぐずぐずしてる暇はないんだ!」
「わかった。ワシの家まで来てもらおう。」
ゲンナイに周りを見渡すように言われ、子どもたちが辺りを見渡せば、一筋の光が伸びていた。
「あの光の方向に進めば、ワシの家に辿り着く。」
「わかった!」
「では、待っておる。」
ゲンナイとの通信はそこで途切れ、子どもたちはゲンナイの家を目指しだした。
「ちょっと…これ、どういうことー?!」
ミミが叫ぶのも無理はない。
進んだ先にあったのは大きな湖。
光はその湖の中から伸びていたのだから。
「家って湖の中なのか?」
「どうやって家に行けばいいの?」
「おいらが様子を見てくるよ。」
ゴマモンは自ら湖に潜り込み、ゲンナイの家を探そうとした時、湖に波が立ち始めた。
そして、湖が左右に割れ、湖の底へと続く階段が現れた。
子どもたちが階段を進むと、一軒の日本家屋が見えてきた。
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