「純ー!純ー!」
倒れて気を失っている純の横でそっくりな二匹が純の名前を呼んでいた。
そっくりと言っても、色やツノの本数などいくつか異なる箇所はあるようだ。
「…ねぇ、グミモン。純、なかなか起きないけど、大丈夫かなぁ?」
「モーマンターイ。僕たちがずーっと待ってたパートナーなんだから、大丈夫に決まってるよー。」
「そうだよね!早く起きないかなー。」
今か今かと純が起きるのを待ち構える二匹。
「う…ん…」
その二匹の気持ちが通じたのか、純は目を覚ました。
純の目の前には先ほどまではなかったはずの茶色と緑色のもの。
「「純!純!起きたー!」」
いきなり喋りだし、飛びついてきたその子たちにただ驚くしかなかった。
「え、ぇ?君たちはなーに?!なんで、私の名前知ってるの?」
「僕、チョコモン!」
「僕、グミモン!」
「「僕たち、純のこと待ってたんだよ!」」
「チョコモンとグミモン…君たちは人間…ではないんだよね?動物…?」
「ちがうよー!僕たちはデジモン!」
デジモン…
聞いたことのないその単語に戸惑いを隠せないが、ここで一緒に飛ばされてきたはずの仲間のことを思いだした。
「ねぇ、私みたいな人間見なかった?青い服着てる子とか…」
真っ先に頭の中に浮かんだ太一の服装を口にしてしまい、少し照れてしまう。
チョコモンとグミモンは気にした様子も見せず、二匹でアイコンタクトを取り合い、
「その人間かはわかんないけど、僕たちの仲間たちが一緒にいるはずだよ!こっちー!」
先に行こうとするグミモンをチョコモンが止め、純が二匹を抱っこする形で移動し始めた。
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bkm