暗闇が晴れ、純は太一たちからヴァンデモンがピコデビモンを陰で操っていた首領だと聞かされた。
先ほど戦ったカラテンモンも手下だったと安易に想像できた。
ヴァンデモンが先ほど言っていた八人の力では闇の力の拡大を阻止できない、とはどういうことなのか。
とてもじゃないが、ヴァンデモンがただ強がりを言っているだけだとは思えず、これからの旅に一抹の不安を覚えた。
「みなさーん!集まってください!ゲンナイさんが!」
「ゲンナイさん?」
光子郎に着いて行くと、そこに浮かびあがったのは久しぶりに見るゲンナイの姿だった。
「やい、ジジイ!今度はなんだってんだ!」
「えー…良い知らせと悪い知らせとあって、どっちから聞きたいかな?」
「がっかりするのがオチだから、良い話から聞こうぜ。」
「では、良い話からしよう。実はな、お主たちの仲間が見つかったんじゃ。」
「仲間?選ばれし子どもたち?」
「実は選ばれし子どもたちは全部で九人だったんじゃ。」
「ヴァンデモンが言ってた八人の力では闇の力を阻止できないって…そういうこと?」
選ばれし子どもがもう一人いるということは、パートナーであるデジモンももう一体いるということ。
選ばれし子どもたち九人とそのパートナー全員が揃わないとこの世界の歪みを正すことはできない。
それはつまり、現実世界の歪みも正せないという事。
「で、そいつは今どこにいる?名前は?」
「名前は…えーと…知らん。じゃが、どこにおるかはわかっておる。日本じゃ。」
「えぇ?!日本?」
九人目の選ばれし子どもは日本にいる。
しかし、日本といっても、決して狭くはない。
日本のどこいるかも分からない選ばれし子どもを探すのは至難の業だ。
「で、悪い話って言うのは?」
「今言った話というのはすでにヴァンデモンも知っておる。奴は先手を打って日本へ行き、その子どもを倒そうと兵隊を集めておるんじゃ。」
「ヴァンデモンが日本に…?!」
「そんなことしたら、街が…街がめちゃくちゃにされちゃう!」
子どもたちはゲンナイから現実世界へと続くゲートがヴァンデモンの城の中にあることを聞くと、すぐさま行動に移す。
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bkm