その時、純の紋章とデジヴァイスが強く光を放った。
「トゥルイエモン、超進化!アンティラモン!」
「ガルゴモン、超進化!ラピッドモン!」
光が収まるとそこに現れたのは昨日一夜を明かした湖。
そして、先ほどまでとは違う姿のデジモン二体だった。
「アンティラモンに…ラピッドモン…」
「くそっ。輝きを取り戻したせいで術が解けたか。」
二体はカラテンモンを睨みつけると、攻撃を放った。
しかし、攻撃を読まれている為、技が当たらない。
「私には当たらないと言っただろう。」
「本気出すしかないみたい。」
「いっくよー!」
二匹は一気にスピードを上げ、どんどん攻撃を繰り出していった。
「なっ…うぐっ…」
「攻撃を読めても避けられなきゃ意味がない。」
「僕たちの絆を侮辱したこと、許さない!」
「アシパトラヴァナ!」
「ラピッドファイア!」
「ぐわぁぁぁあああ!!」
二体の攻撃が当たり、カラテンモンは消えていった。
そして、純の足元にはチョコモンとグミモンの姿があった。
「二人とも大丈夫?…あと、ありがとう。」
「「モーマンターイ!」」
その時、空から声がした。
見上げれば、いつからいたのか、ガルダモンに乗った子どもたち、それも純以外の全員が揃っていた。
ガルゴモンは子どもたちを降ろすと、ピョコモンへと退化した。
「純!お前、どこにいたんだよ。デジヴァイスに反応もないし、心配したんだからな!」
「なんか変な術をかけられてたみたい。二人が進化して助けてくれたんだ!」
「見てたよ!すっごいカッコよかったー!」
「あったりまえじゃーん!」
「僕たちだもんねー。」
やっと八人全員が揃い、完全体に進化できるデジモンも六体に増えた。
純は安堵のため息をついた。
しかし、いつの間にか子どもたちの頭上に広がっていた暗闇を見て、再び不安が押し寄せてきた。
「選ばれし子どもたち…お前たち八人の力だけでは我らの闇の力の拡大を阻止することはできないんだよ。」
「なに、あいつ…」
「ヴァンデモンだ…あいつがピコデビモンを操ってたんだ…!!」
ヴァンデモンはすぐに姿を消したものの、子どもたちに広がる不安は消え去らなかった。
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bkm