夏色ドロップス | ナノ

act.01

デジタマモンの飲食店からヤマトと丈を救いだした後、デジヴァイスには新たに三つの反応が現れた。
そのため、五人は三組に別れ、空、光子郎、ミミを探すことになった。
太一はどうせなら好きな人と、ヤマトは先ほどのこともあり、タケルと純の三人で、と二人して純と共に行動したがっていたが、パートナーの数のこともあり、太一と丈、ヤマトとタケル、純で別れることとなった。

純たちはデジヴァイスを頼りに足を進めた。
しかし、純の目指している点滅は突然、湖を超えた辺りでデジヴァイスから反応が消えたりとなかなか点滅の主へと辿り着けずにいた。

「はぁ。この点滅は誰なんだろう。移動しすぎだよぉー…」

点滅は純が追いつく前にデジヴァイスから消え、少し時間が経つとまた反応が戻ってくる、という流れを何回か繰り返していた。
反応が消える度に純たちはその場に留まざるを得なかった。
今回は数時間前に反応が消えたきり、夜になってもデジヴァイスの反応は見られず、湖のそばで一夜を過ごすことになった。


「ロッテリア、起きて!点滅し始めた!」

朝になり、デジヴァイスを見ると、点滅が戻ってきていた。
純はロッテリアを叩き起こし、点滅しているデジヴァイスを見せた。

「ホントだー。ここに向かえば、誰かに会えるんだね!」
「早く向かわなくちゃねー。」
「よし、そうと決まればレッツゴー!」

意気込んで歩き始めたものの、いくら歩いてもデジヴァイスの点滅は近付かない。
点滅の主が移動している様子はないのに、だ。

「なんで、近付かないんだろう…」

デジヴァイスのボタンを押してみても、なにも反応はない。
故障しているのかともおもったが、聖なるデヴァイスなるものが壊れるはずないか、と思い直した。

「純ー。この木の傷、さっきも見たよー?」
「えー、嘘だぁ…デジヴァイス見ながら歩いてて、迷うはずないのに…」
「でも、あの花、さっきも見たよね?」

目の前に現れたのは、七色の大きな花。
数時間前に綺麗だねー、と話したものだった。

「どういう、こと…?」

デジヴァイスの点滅する方向に進んでいるのにも関わらず、一向に点滅が近付く気配はない。
それどころか、点滅の方へ進んでいるはずなのに、同じところを何回も通っているというのだ。
そして、純はデジヴァイスを眺め、あることに気がついた。

「このデジヴァイスの点滅がなくなってる…」
「やっと気付いたのか。私のかける術に…」
「誰?!」
「お前には私のことが分からない。だが、私はお前のことが分かる。お前の名前は佐藤純。絆の紋章の持ち主。」
「絆の紋章…?」

紋章といえば、首からぶら下げている二つの紋章。
二つ揃ってから、たまに七色に光ることがあるが、ロップモンとテリアモンが更に進化する様子はない。
絆の紋章というのはこの紋章のことなのだろうか。
それに、なぜ名前を知っているのか。
謎だらけであった。


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