夏色ドロップス | ナノ

act.01

無事にタケルと合流できた太一と純はヤマトを探すため、スワンボートで湖を渡った。
スワンボートを降りると、デジヴァイスに反応が現れた。
デジヴァイスの点滅に従い、純たちが進んだ先にあったのは一軒の飲食店。
店の中に入ると、ゴマモンとガブモンの姿があった。

「ゴマモン!ガブモン!」
「太一だ!」
「タケルも!」
「私もいるよー。」

タケルはガブモンの姿を見つけると、ガブモンの元へ駆け出し、ヤマトの居場所を聞いていた。

「丈もいるのか?ここに。」
「あぁ、いるよ。でも…」

ゴマモンとガブモンは床を見つめ、気まずそうな顔をした。

「でも?」
「なにかあったの?」
「太一!純くん!生きてたのかぁ!!心配してたんだぞ!」

ゴマモンとガブモンへの質問は丈によって妨害され、頭の隅に追いやられた。

「ごめん。いろいろあってさ。」
「ねぇ、お兄ちゃんどこ?いるんでしょ?」

タケルの質問に対し、丈はゴマモン、ガブモン同様気まずそうな顔をし、扉を見つめていた。
タケルは丈の視線の先、つまり、外にいると判断し、外へと駆け出していく。

「タケルくん、待って!私も行くー!」

純とタケルが走って行けば、見えてきたのは湖。
その前には寝そべっている一人の少年の姿があった。

「お兄ちゃん!」
「ヤーマトッ!」
「タケル!純!」
「やっと会えたぁ!」
「お前、どうしてっ…純も生きてたのか?!」
「太一と一緒にタケルくんを連れてきたんだよ。ほら、太一もいるよ。」

ヤマトが後ろを振り向けば、太一の姿が目に入った。

「生きてたのか、お前っ!」
「へへっ。お前より先に死んでたまるかよっ!」
「タケル、悪かったな。約束通り迎えに行くことができなくて。」
「いいんだよ、そんなこと。またちゃんと会えたんだし!」
「とにかく、お前が無事でよかった。」
「ブラコンのヤマトさーん。私も無事だったんですけどー?」
「あぁ。純も無事でよかった。」
「私もヤマトにそう言ってもらえてよかった。」

三人のその様子を神妙な顔つきで太一は見ていた。
小さい頃からの付き合いで、兄弟みたいなものなのはこの数日でよーく理解していたつもりではあったが、さすがに好きな女子がほかの男子と仲良くしていて面白いはずがなかった。


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -