夏色ドロップス | ナノ

act.02

太一たちがいなくなってから、子どもたちは太一と純をずっと探し続けていた。
しかし、一月半探しても太一たちの手掛かりすら見つからず、子どもたちは探すのを諦めかけていた。

そんな時、最初に行動したのは空とピヨモン。
二人は太一と純、それぞれのパートナーを探すために子どもたちからこっそり抜けたのだ。
そして、それを皮切りに光子郎とテントモン、丈とゴマモン、ミミとパルモンと次々といなくなり、最後まで残ったのがヤマトとガブモン、タケルとトコモン。
しかし、そのヤマトも様子を見てくると言い、どこかへ行ってしまった。

「お兄ちゃん、どうして帰ってきてくれないの?お兄ちゃん、様子を見に行くだけだから、すぐに帰ってくるって言ってたのに!」

ヤマトがいなくなったことにより、泣き始めたタケルの元に現れたのがピコデビモン。
ピコデビモンは言葉巧みにタケルへと近付き、自らヤマトたちを探し出すことを買って出た。
タケルはもちろん、トコモンもその提案には喜んで賛成した。

しばらくすると、ピコデビモンはヤマトに会ったとタケルたちの元へ戻ってきた。
しかし、そのピコデビモンは“ヤマトがタケルのことを嫌いだと言っていた”と言い放ったのだ。
ヤマトとタケルを近くで見てきたトコモンはピコデビモンの嘘だと反論し、ピコデビモンに攻撃するが、タケルはピコデビモンの肩を持ち、トコモンとの仲に亀裂が生じてしまった。
そして、タケルはデジヴァイスと紋章を投げ捨て、ピコデビモンと共にどこかへ行ってしまったのだ。


「そんなことが…トコモン…大丈夫?」
「ヤマトも心配だが、まずはタケルだな。トコモン、タケルのいる遊園地へ案内してくれ。」
「うん!」
「トコモン、おいで。私が抱っこしててあげる。」

純はトコモンを抱えると、遊園地へと足を進めた。
遊園地の中を少し探索すると、デジヴァイスが反応を示し、すぐにタケルの姿を見つけることが出来た。

「タケルくーん!」
「タケルー!」
「純ちゃん!太一さん!生きてたの?」
「死んでたまるかよ!」

タケルは純と太一の姿を見て、安心したのか、涙を流しながら二人に抱きついた。
タケルのそばにピコデビモンの姿はなかった。

「生きててよかった!心配したんだよ!僕、とっても心配したんだから!」
「ごめんね、タケルくん。」
「心配かけてすまなかったな。」
「トコモンも戻ってきてくれたの?分かってくれたんだね。自分が悪いことしてたって。」
「悪いことなんてしてないもん!」
「ねぇ、タケルくん。ピコデビモンの言ったこと、信じてるの?」

幼いころからヤマトとタケルと共に兄弟のように育った純にはピコデビモンの発言がどうしても信じられなかった。
あれだけブラコンのヤマトがそんなこと言うなんてなにかあったに違いない。
そう確信していた。


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