夏色ドロップス | ナノ

act.05

遠くから、水しぶきの音が聞こえ、マンションの近くにある川へ足を運ぶと、そこにはティラノモンの姿があった。
ティラノモンは口から攻撃を放ち、橋を破壊する。

「チョコモン、グミモン!」
「チョコモン、進化!ロップモン!」
「グミモン、進化!テリアモン!」

ロップモンとテリアモンが攻撃しようとしたとき、ティラノモンは姿を消してしまった。

「ティラノモンが…消えた?」

また別の場所で大きな音が響いた。
そこにいたのはドリモゲモン、そして、いつの間にか純のそばに太一とコロモンの姿があった。
純たちはアイコンタクトをとり、ドリモゲモンを追うが、ドリモゲモンの姿もすぐに見えなくなった。

「ま、また消えた…」
「なんだったの、今の…」
「…太一、戻るよ、僕。みんなの所へ。」

コロモンは意を決し、そう言うと、太一の腕からすり抜け、進みだした。

「デジモンはこの世界にいちゃいけないんだ。僕もデジモンだから、ここにいちゃいけない。」
「じゃあ、僕たちもだねー。」
「僕たちもデジモンだもーん。」
「コロモン、ロッテリアまで…なんでそんなこと言うんだよ!戻るなんて言うなよ…」
「お兄ちゃーん!」

太一の背後からヒカリが追いかけてきた。
太一がヒカリに家に帰るよう説得している間にコロモンが横断歩道の先にいるオーガモンを見つけた。
オーガモンは信号が青に変わると同時にコロモンたちの元へと攻撃を仕掛けてきた。
コロモンたちはオーガモンの攻撃をかわしながらも、太一たちからどんどん離れて行った。

「私はロッテリアを追いかける。ロッテリアだけで戦わせたくないから。」

純はそう言うと、ロップモンたちを追いかけて行った。

「俺は…俺は…!!コロモーン!」

太一が叫ぶと、デジヴァイスが光を放った。

「コロモン、進化!アグモン!」

アグモンとロップモン、テリアモンは連携を取りながら、オーガモンを倒した。
すると、上空に大きな空間の歪みが現れ、オーガモンだけでなく、アグモン、ロップモン、テリアモンも吸い込まれていく。
彼らは抵抗することもなく、そのまま空間の歪みへと吸い込まれていき、姿が見えなくなった。

「ロップモン、テリアモン!待って、私も…!!」
「アグモン…待って、俺も!…ヒカリ?」

パートナーたちを追いかけていこうとした太一と純の腕をヒカリが引き留めた。

「必ず…戻る…!!やっぱ、あいつには俺が付いてないと…風邪、早く治せよ。」
「私も絶対戻ってくるよ。戻ってきたら、また一緒にごはん食べようね。約束。」
「お兄ちゃん…純ちゃん…」

太一と純の体はどんどん上空へと昇っていき、ヒカリの手から太一と純の手が離れた。


「戻って、きたね。」
「あぁ。純、後悔してるか?」
「私はしてない。太一は?」
「俺もしてない。また必ず帰るよ。俺たちがやるべきことをやったらな。」

デジタルワールドへと戻ってきた太一たち。
二人と三匹はただ前を見据えていた。


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