ピラミッドの外では子どもたちが作戦の最終確認を行っていた。
映し出されたピラミッド周辺の地図には敵を示す赤い印が至る所に散らばっていた。
「現在、ピラミッドの周辺にはこのようにデジモンが配置されていて、気付かれずに中に入るのは無理です。」
「そのために俺たちが囮の役目をするわけだな?」
子どもたちの作戦はヤマト、丈が囮となり、入り口付近の敵がいなくなった隙に太一と光子郎、そして空がピラミッド内に侵入するというもの。
ピラミッド内に侵入しても、問題はまだある。
通り道である隠し通路の壁には太一が通れなかった電流が流されているらしいのだ。
「…俺は…俺は……俺は純を助ける!今度こそ!」
太一の目に迷いはなかった。
子どもたちはそれぞれの配置についた。
イッカクモンとガルルモンの誘導により、ピラミッドへの入り口に敵がいなくなり、その隙に太一たちはピラミッド内へと侵入した。
「みぃつけた!」
うまく侵入できたものの、あと少しで純たちのいる部屋へたどり着くという時、エテモンが太一たちを襲った。
「ナノモンがどこにいるか教えてもらうわよ?」
「ここは僕たちでなんとかします!」
「純のことは任せたわよ、太一!」
エテモンを空と光子郎に任せ、太一とアグモンは先に進んだ。
進んだ先には昨日、恐怖心に負け、通ることのできなかった電流の流れる壁があった。
なかなか先に進まない太一を見かね、アグモンが先に行こうとするが、太一はそれを制止させた。
「この壁の向こうには…俺の大切なものがあるんだ!」
「純?」
「ああ。でも、それだけじゃない。俺があの時失ってしまった、なにか大切なものがある気がするんだ。」
そうは言ったものの、なかなか壁に触れることが出来ない。
「頑張れ、太一!勇気を出して!」
「うわぁああ!」
アグモンの声援もあり、太一は電流の流れる壁の先にある隠し通路へと進むことが出来た。
アグモンはグレイモンに進化し、カブテリモンとバードラモンの手助けに向かい、太一は一人で純たちの救出へと向かった。
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