夏色ドロップス | ナノ

act.01

空のおかげで、外に逃げたと思っていたナノモンがピラミッドの隠し部屋にいることがわかった。
光子郎はパソコンでピラミッド内部を調べ、地図を広げた。

「ここに純が…みんな!危険なのはわかってる。純は先に進めって言ってたけど、俺はそんなこと出来ない。どうしてもこの手で純を助けたいんだ。だから…」
「分かってるよ、太一。みんな同じ気持ちだ。」
「純さんはここにいるみんなの仲間だもん。」
「みんなで助けようよ!」
「私も純を助けてからじゃないと先になんて進めないわ!」

子どもたちは一致団結し、純を助けるための作戦を練り始めた。


その頃、純はナノモンの隠し部屋で目を覚ましていた。
純は台の上、ロップモンとテリアモンは壁に身動きの取れない状態で固定されていた。

「なに、これ?!ロップモン!テリアモン!」
「無理しない方がいい。ロップモン、テリアモンは気を失ってるだけだ。こいつらにはエテモンを倒すという役目があるからな。」
「そんなこと私がさせない!」
「お前を使うつもりはない…」

純の体の上を光が通過した。

「なに、この光…」
「お前をコピーしているのだ。お前たちはまだ紋章の力を全く引き出してはいない。だから私がこのコピーを使って力を引き出してやろうというのだ。」
「コピーなんかがオリジナルに勝てるはずない!」
「それはどうかな…」

ナノモンの手には純の首にぶら下げられていたはずのタグが二つと、見たことのない紋章が握られていた。

「私の紋章…?本当に持ってたんだ…」
「私はかつてエテモンと闘い、過去の記憶をほとんど失ってしまった。失われた記憶はほとんど戻らない。私にできるのはエテモンに復讐をすることだけだ。どんな手を使ってもな。」

そう言い放ったナノモンの顔は純にとって恐怖でしかなかった。


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bkm
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