純の進んだ先に、ナノモンと空、ピヨモンはいた。
「純!」
「お前もここまで来たのか…」
「空たちと紋章、返してもらいにきた。」
ロップモンとテリアモンは進化し、ナノモンに攻撃をしかける。
それと同時にナノモンに捕えられていた空とピヨモンは純の方へと走っていく。
「純!」
トゥルイエモンによって投げられたのは、ナノモンが手に持っていた空の紋章とタグだった。
「空、先に逃げて。」
「そんなことできないわよ!」
「私の紋章はまだ見つかってないの。見つけなきゃ、私は戻れない。」
「でも…」
「空は太一たちに私の居場所を伝えて。お願い。」
「…わかった。ピヨモン、行こう!」
空とピヨモンが出ていくと、トゥルイエモンとガルゴモンはナノモンの攻撃によって、ロップモンとテリアモンの姿に戻っていた。
「よくも逃がしたな…まぁ、いい。二匹いた方があいつを倒すのも楽になるからな。」
「そんなことさせない。ロップモンとテリアモンはあなたになんか進化させられない!」
「それはどうだろうな。」
ナノモンがそう呟くと、純は突然、気を失った。
それを追うようにして、ロップモン、テリアモンも気を失い、それを見たナノモンは不敵に笑うのだった。
その頃、空は太一たちのいる洞窟に戻ってきていた。
「空!」
「大丈夫だったのか?!」
「えぇ、私は…」
「純は?!純はどうしたんだよっ?!」
「…私の代わりに…みんなにナノモンの場所を伝えてって…」
「あいつ、最初から自分が囮になるつもりで…チクショウ!チクショウ!」
太一は地面を叩きつけた。
涙は止まることなく、太一の頬を濡らし続けた。
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bkm