夏色ドロップス | ナノ

act.05

幼い二人の姿が見えなくなった頃、純はそっと呟いた。

「大事なこと忘れてたみたい。」
「なにー?」
「私、みんなに迷惑かかるのが怖かった。でも、間違った進化でもみんなは迷惑だなんて思わない。きっと、どうやったら正しい進化をできるのか一緒に考えてくれるよね。」
「僕たち、仲間だもんねー!」
「うん、そうだよね!ロッテリアが間違った進化をしないように、私がちゃんと育てる。間違っても、ちゃんと正しい進化をさせてみせるよ!」
「僕たちなら大丈夫だよ!モーマンタイ!」

純とロップモン、テリアモンは船へ乗り込むと、来た道を急いで戻り始めた。
戻る途中、太一とアグモンと合流し、お互いの意志を確認しあった。
二人と三匹の目にもう迷いはない。

ピッコロモンたちの元へ戻ると、結界が破られ、ティラノモンに襲われている子どもたちの姿があった。

「みんなが危ない!アグモン!」
「ロップモン、テリアモンも!進化、いくよ!」
「アグモン、進化!グレイモン!」
「ロップモン、進化!トゥルイエモン!」
「テリアモン、進化!ガルゴモン!」

三体は進化すると、一気に攻撃をしかけ、あっという間にティラノモンを撃退した。
子どもたちは太一と純が無事にパートナーたちを進化させられるようになったことに安心していた。
そして、ヤマトと光子郎が無事に紋章を手に入れたことを報告された。

「本当にお世話になりました。」
「うむ…キミたちの修行はこれで終わったじゃないッピ!人生、すべて修業ッピ!負けずに頑張るッピ!」
「はい!」

ピッコロモンは純のそばに寄り、そっと耳打ちした。

「キミの紋章はそれで完成じゃないッピ。」
「完成じゃ…ない?」
「キミの紋章はふたつでひとつッピ。よって、これから一番負担がかかるかもしれないッピ。でも、この世界を救うにはキミの力が必要不可欠なんだッピ。」
「…負担が大きくても、この世界を救ってみせます。私には仲間がいるから。」
「それを聞いて安心したッピ。」

ピッコロモンはそう言うと、純から離れ、純は太一たちの元へと走った。


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