ピッコロモンに案内され、着いた場所は数えきれないほどの階段がある大きな岩だった。
そして、ピッコロモンからその階段を登れ、という修業を言い渡された。
子どもたちは嫌々ながらもなんとか登りきると、一軒の家が見えてきた。
「食事も用意もできてるッピ!」
子どもたちは食事という言葉に反応し、ピッコロモンの家まで一気に足を進めたが、そこで待っていたのは新たな修業であった。
ピッコロモンが再び呪文を唱えると雑巾とバケツが現れ、子どもたちに床の雑巾がけを命じたのだ。
「キミたちはスペシャルメニューだッピ!」
「スペシャル…」
「メニュー…」
太一と純は顔を合わせると深いため息をついた。
「さぁ、この中に入るッピ!」
二人と三匹が連れてこられたのは洞窟だった。
中は薄暗く、ライトがなければ足元も見えないほどだった。
「なんか暗くて怖いね…」
「いったいここでなにをするんだ、ピッコロモン。これじゃなにも見えない…」
突然、地面が沈み始め、太一たちはその地面へと沈んで行った。
「太一、太一。起きて!」
「純もだよー!」
「いつまで寝てるんだー!」
パートナーたちの声で目を覚ますと、いつの間にか船に乗っていた。
「ここ…どこ?」
「洞窟にいたはずなのに…」
ここがどこなのか分かる人はおらず、大声で叫んでみても、返事が返ってくることはなかった。
船がグラつき、太一が、そしてそれを助けようとしたアグモンも水の中へ落ちるというハプニングもあったが、純たちの助けもあり、なんとか船の上に戻ることができた。
突然、船の先に光が現れた。
そして、太一たちの乗った船はその光へと流されていた。
なんとか方向を変えようと足掻いてみたが、結局変わらず、二人と三匹は再び意識を手放していた。
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