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頭を抱える。一体どうしてこうなった?
最初から妙だとは思ってた――思っていた。思っていたけど!
「さあ行くよ!準備はいいかい?」
「いつでも」
「良くない!!」
「オーケー、行くよ!」
「人の話を聞け!!」
たまたまコパートメントで知り合ったのが運の尽き。この奇妙なふたり組の男の子と隣り合って、子どもの時の――今でも子どもなのはわかっているが――マグル式悪戯の話をしたのが間違いだった。そのうちふたりの目がらんらんと輝き出し、嫌な予感がした時にはもう遅かった。
「せーの!!」
がっちりと両隣をガードされ、私たちは三人一緒にボートに飛び乗った。急に片側だけ三人分の衝撃を受けたボートは、案の定――先にひとりで座っていた男の子を勢いよくボートから跳ね飛ばし、暗い湖へと突き落とした。
「な、何てことするの……!」
私は彼を助けようと立ち上がった――が。
「あ」
重心が不安定になったボートは、勢いよくひっくり返った。
ガボガボと不吉な音を立てて沈む私を、彼は――ジェームズは、腕を掴んで引っ張り上げた。
「最高だね!」
「何処がだ!!」