黒い欲望2









※1万HITリクエスト13
「焔椎真乳首責め」









今日も今日とて焔椎真は自分の自室ではなくこの部屋で仰向けになってゲームをしているが、時計を見ればもうすぐ日を跨ぐ時間帯だ。
どうせ明日は学校が休みなので焔椎真に身体の状況を打ち明けさせるには絶好のチャンスかもしれないと考え、何気なく話しかけた。


「焔椎真、もうこんな時間だ。そろそろ寝た方がいいんじゃないか?」
「もう少しいいだろ。今いいとこなんだ」
「駄目だ。お前はそう言ってすっぱりゲームを止めたことないじゃないか。ほら」

そうして仰向けになっている焔椎真の乳首に当たるようにわざと掌で胸を叩いた。

「ん……っ!」
「どうしたんだ? 痛かったか?」
「え……、あ、いや、痛くないから大丈夫だ!」

さっさと手を離せばいいのに心配してる素振りを見せるようにそっと、けれどしつこく撫でれば、焔椎真の身体はビクリと肩が震えた。

「あ……っ、ほ、本当に大丈夫だって! じゃあ部屋戻るな!」
「ああ。おやすみ」

おやすみと返してぱたぱたと足早に部屋を去った焔椎真だったが、ベッドに肝心のゲーム機を忘れている。
どうせ触られた乳首が気になって忘れていくだろうと思っていたら案の定だ。
さて、これで焔椎真の部屋に行く口実はできた。









* * * * *


まずい、本当にまずい。
愁生の部屋にいたら胸を叩かれてしまった。
しかも心配してくれただけなのに慌てて出てきてしまったし、変に思われたかもしれない。
でもどうしても触られた胸が熱く反応してしまう。
どうしたものかと思いつつもベッドの上に仰向けになって寝転がれば、自然と指が胸を這い、乳首をゆるゆると撫でてしまう。
駄目だと分かってるのに止められない。

「ん……っ、う……、」

もう最近では自慰をする時に乳首を触らなければ満足いかなくなってしまった。
前はこんなじゃなかったのに。
身体の変化が大きすぎて辛いのに、でもすごく気持ち好いから触るのを止められない。

「んん……っ、」

最初は撫でていただけの乳首を摘んで引っ張ったり指で潰したりすれば、すぐに敏感なそこはぴんと尖ってしまった。
この身体はなんで、いつからこんなふうになってしまったんだろう。
他の人もこうなんだろうか。
誰かに聞いてほしいのに、こんなこと恥ずかしくて誰にも言えない。








* * * * *


少し時間をおいて焔椎真の部屋に行ってみれば中はしんとしていたからほんの少しだけ、音を立てずにゆっくり慎重にドアを開けてみる。
すると微かに焔椎真の切なそうな声が聞こえてきた。
やっぱり今日も性器ではなく乳首を触りながら自慰に浸っているみたいだ。
口端が上がって笑みを作ってしまったのをなんとか抑えて、おもむろにドアを開けた。

「焔椎真、お前ゲーム機忘れてるぞ」
「――ッ!」

いきなり部屋に入ってこられて驚いたらしい焔椎真は、慌てて乳首を触っていた指を下ろしてベッドから起き上がった。
そんなことしてももうはっきり見てしまったから遅い。

「し……、し、愁生!?」
「え……っと、ごめん。今入ってきちゃまずかったか?」
「そんなことは……」

見られてしまったと焔椎真も分かっている。
しかも決定打を打ち込むように謝られたことで逃げ場がないと早々に諦めた焔椎真は、羞恥で俯いてしまった。
顔だけじゃなく耳まで真っ赤になっている。

「別に年頃の男子にはよくあることだろ。おれも入る時にノックしなくて悪かったよ」
「…………」
「焔椎真、俯いてどうした? 誰にも言わないから大丈夫だって。それとも何か他に悩みがあるのか? だったらちゃんと話して」
「…………」
「やっぱりおれじゃ頼りないか?」
「ち、ちが……っ!」

少し落ち込んだように見せかければ弾かれたように顔を上げた優しい焔椎真が、そうじゃないんだとしきりに首を振った。
よし、あともう少し押せばいいだろう。

「おれは何があっても焔椎真の味方だよ。いつも言ってるだろ。お前がおれの生きる意味だし、おれには大切なものはお前しかいない。だから一人で悩まないで。おれ達はパートナーなんだから」
「愁生……」

言葉に嘘は全くない。
全くないからこそ、こんな真っ黒で歪んだ気持ちを生んでしまった己を嗤いたくなる。
それでも自分を正当化しても、もう後には戻れないのだ。

「焔椎真……」

普段より大分優しい声で名前を呼べばまた焔椎真が俯いたが、促されるようにぽつりぽつりと語りだした。

「あの、その……、胸が……」
「胸が?」
「いや、胸が、じゃなくて。そうだ! 胸、胸見せてくれないか?」
「胸を? まあいいけど、おれの胸見せたら焔椎真も見せてくれるのか?」
「う……、うん」

なんだか嫌そうだが見せなければ話は進まないと思ったのか、それとも他人の乳首はどうであるのか好奇心が勝ったのかもしれない。
頷いたので着ていた服のボタンを外して胸を見せてやった。
途端に胸、というよりも乳首を見た焔椎真はやはり眉をひそめてしまった。

「焔椎真、今度はお前の番」
「わ、分かってるよ……」

言ってスウェットを脱ぎ、曝け出された焔椎真の乳首は誰よりもよく知る、寝ている間に開発した平均よりも少し大きめサイズのあの乳首だった。

「おれのより少し大きいな」
「や、やっぱりそう思うか?」
「ああ。でもそれがどうしたんだ? 言いたいのはこれだけじゃないんだろ?」
「う……、それがさ。なんかここが敏感でむずむずするんだ……」
「たとえば?」

なんだかこの誘導尋問は焔椎真を言葉責めしているみたいだ。
実際羞恥を煽る言い回しなのだから言葉責めでそんなに間違いはないのかもしれないが。
なかなか話そうとしないのでもう一度「焔椎真?」と名前を呼べば、観念したみたいで。

「ち、乳首……に、何か当たったりしたら、か、感じてしまうん……だ」

最後の方は尻すぼみになっていたが言いたいことは聞き取れた。
だけどわざと羞恥を煽ってやる。

「感じてしまうって……、もしかして乳首が気持ち好いのか?」
「……ッ!」

ああ、泣きそうになってしまった。
でも何も反論しないのは肯定しているのと一緒だ。
まあ、反論できる材料なんて焔椎真にはまるっきりないけれど。
恥ずかしいのか唇を噛んで俯いたままふるふると震えており、もっと羞恥に身を打ち震えさせてやりたくなる。

「もしかしてさっきもそこを弄ってたのか? だからここ、こんなに大きくなったんじゃないのか?」
「…………」

強調するように『こんなに』と告げれば焔椎真はまた顔が赤くなった。
だけど全て打ち明けさせるのなら乳首を触らないと打ち明けたことにはならないから、警戒させないように穏やかに問いかける。

「なあ、少し触っていいか?」
「駄目だ!」
「なんで? 言っただろ? お前のことはちゃんと何でも知っていたいんだ。この世に一人のパートナーなんだからな、お前は」
「……じゃあ愁生も触らせてくれるか?」
「いいよ。どうぞ」

焔椎真の手首をとってこちらの胸を触らせればやんわり撫でてきたけれど、別にどうということはない。
「どうだ? これでいいか?」との意味を込めて目を見つめれば、自分との違いに愕然としたみたいでゆっくり腕を下ろした。

「今度はおれの番だ」

焔椎真の胸を触るために手を上げれば肌に触れる前にすでにビクンと震えたが、お構いなしに掌で乳首を少し強めに押し潰してやった。

「ん……っ!」
「焔椎真、乳首触られて感じてるんだ? すごくいやらしい顔になってる」
「言う……な、って」
「しかもまだ少ししか触ってないのにもう乳首が尖ってきた。乳首、そんなに気持ち好いんだ」
「あ……、愁生、やめ……、んっ!」

乳首、乳首と連呼してやり、律儀に快楽を拾っている身体を見てるのは酷く愉しい。
しかも止めろと言うわりに快楽に身体は従順で、無意識かもしれないが掌に乳首を押しつけている。
だからつい悪戯心がむくむくと膨れ上がって両方の乳首をきゅっと摘んでやったら、面白いくらいに焔椎真の身体はビクビクと大胆にしなった。
まるで打ち上げられた魚みたいに。


「乳首が好すぎてここ触りながら何回も自慰してたんだ? なあ、焔椎真?」
「あ、あうう……っ!!」


耳元で吐息混じりに核心をついてやればピーンと背中は張って、半勃ちだった焔椎真の中心が天を向いて先走りを溢れさせた。







「いやらしい乳首、もっと弄っていいか?」





また耳元で囁けば焔椎真は頬を紅潮させながらも小さく頷いた。















2010/10/18

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