今日こそは! ※1万HITリクエスト10 「焔椎真がエロ可愛い話」 愁生のシャツをはだけさせて焔椎真は胸元やお腹にいくつものキスを落としていく。 本当はついさっきまでキスの跡を首筋に残そうとしていた焔椎真だけど、上手くできなかったらしく早々に止めてしまった。 そんな姿がなんだか可愛いな、なんて愁生は思ってしまって。 反対に自分の方が焔椎真に赤い印をつけたくなる。 「なあ、もうそろそろおれに任せてくれないか?」 「嫌だ」 ばっさりと切り捨てられたのはこれが今日初めてではない。 すでに数度同じやりとりをしているが、焔椎真はそのたびに首を振ってきた。 何がしたいのかよく分からないし理由があるなら言ってくれれば良いのに、仰向けになった愁生の上に乗り、不器用な舌を使いながら焔椎真はキスを繰り返す。 「焔椎真、どうかしたのか? なんか今日はやけに積極的じゃないか」 「…………」 「ほら、言えって」 「……た、たまには俺だってお前の余裕のないところが見たいんだ!」 やっと口を開いたかと思ったら何を言い出すのか。 そもそも余裕のないところなんてできることなら愁生は見せたくないのだ。 焔椎真の余裕のない姿を堪能するのはすごく好きだけど。 大体、好きな人間の前でかっこつけたいと思って何が悪いのか。 いつだって余裕綽々でいたいし、だから余裕のなくなっている自分なんてものを強制的に頭から追い出して愁生は続けた。 「そうか。でもそろそろこの状態は辛いな。もう代わってくれないか」 「だから嫌だって」 「ふーん。じゃあ強制的に代わってもらうよ」 「へ? ……うわっ!」 間の抜けた声と共に愁生は焔椎真の肩をぐいっと押してベッドの上に座らせた。 愁生自身も身体を起こし、未だ目を白黒させている焔椎真の唇に噛み付いて乱暴に舌を引きずり出す。 「ん、ん……っ、ふっ……」 歯列をなぞり、舌を甘噛みして逃げようとするそれを追い掛ければ、キスに弱い焔椎真はすぐさま息を上がらせた。 とろんと目が潤んだのを見計らい、愁生は焔椎真の着ているVネックのシャツをたくし上げる。 「うわっ! やめっ……」 現れた胸の飾りを指先で執拗に捏ねれば、堪えられないみたいで焔椎真は熱い吐息を零した。 「焔椎真、お前に主導権を握るのは無理だよ。諦めろ」 「く……っそ、」 なんとか愁生を押し退けて再度主導権を握ろうとしているが、身体を快楽を引きずり出すみたいにして弄られればどうしても力は入らなくなる。 「はあ……っ、うっ……、く……」 主導権を握りたがっているのなんてそんなのはお構いなしに焔椎真の穿いているジーンズのファスナーを下げれば、すでに緩く勃ち上がったものが先走りを溢れさせていた。 「へえ、さっきので興奮したのか?」 「うるせー!」 ぷいっと顔を逸らし、恥ずかしそうにしながら舌打ちをした焔椎真だが、今の現状が全てだ。 快楽に弱い身体の方が言葉や態度よりも悠然と本心を語っている。 しかもすでにかなり下着は濡れていて、これならばローションを使わなくても良さそうだ。 ジーンズを脚から抜き取って下着も素早く下ろしていけば、焔椎真の後孔はヒクヒクと物欲しそうにしていた。 こんなので主導権を握ろうなんて到底無理じゃないのか、と思ったがふと愁生は考えついた。 今日くらいは焔椎真に主導権を渡してやろうかな、と。 「お前、そんなに主導権握りたいのか?」 「そう、だけど……」 「じゃあいいよ」 「ほんとか!?」 「ああ。好きにすればいい」 快楽に濡れた顔が嬉しさに輝いているのは見ていて楽しい。 焔椎真は愁生をもう一度押し倒して緩く首をもたげだしたものに口をつけてそっとキスをする。 そのまま自分の後孔に指を挿入しだした焔椎真に当然だが愁生はぎょっとした。 「……ッ! ちょ、焔椎真!」 「ん、ん……、なん……だよ」 「いや……、お前……」 「ん、ふっ……、く……っ」 自分で自分の中を解そうとするところなんて初めて見た。 しかも愁生に見せつけるみたいにしている。 今までさせたこともなければ焔椎真がやりだしたこともなかったから、驚くなという方が無理な話だ。 焔椎真の紅潮した顔からはじんわりと汗が浮かんでいて、顎から流れたその汗がぽたりと肌に落ちる様がひどく扇情的だ。 艶やかさに喉がごくりと鳴る。 「あ、あ、はあっ……ん……」 「……焔椎真」 「ふっ、ん、ん……」 「……焔椎真」 何度か呼び掛けてみるが夢中になっているみたいで聞こえていない。 ただ、もう愁生にも余裕なんてものは皆無だ。 これ以上は一分たりとも待てない。 だから焔椎真が聞こえていないなら強引にいけばいいだけ。 「焔椎真」 「……うわっ!」 愁生は焔椎真の肩を掴んで押し倒し、ビックリしている焔椎真の後孔に指を挿入し、すでにある程度解れていたのを確認して自分のものを強引に挿れこんだ。 「え、ちょ……!? ……う、あぁ……っ!」 強引にもっていって悪いなと思いつつも、煽った焔椎真の方がより悪いんだと結論づけた愁生はせめてもの詫びに、イイところを十分突いてやり快楽を最大限にまで引き上げてやる。 「あ、あ、あっ……しゅ、せ……、しゅう……せいっ!」 「焔椎真……」 うわごとのように名前を呼んでくるのが愛しくて、愁生は焔椎真にリップ音を残して口づけた。 「あ、あ、しゅう……せ……、ああぁあっ!」 「くっ……!」 そうして二人して高みに昇り、同時に愁生と焔椎真は白濁を吐き出した。 今日は本当に驚いた。 まさか焔椎真が自分の中に指を入れるなんて想定外だ。 初めて見る光景に流されて後は本能のままに動いてしまったが、今度は焔椎真に自分で挿入させたいと思う。 どうせまたそのうち主導権を握りたいと言いだす日が来るはずだから、機会はあるだろう。 「ああ、楽しみだな」 薄く笑みながら今は眠っている焔椎真の額にキスを落とした。 2010/9/20 |